FaitalPRO 3FE25 3 をVer.4.1 で聴く [ATL-Speaker]
2015/07/30
FaitalPRO 3FE25 3 をVer.4.1 で聴く
このユニットは、最近注目のユニットである。
と言っても極々僅かなマニアの中の話です・・・
3FE25 3の取付
このユニットのメカ設計は、残念な点が多い。
バッフルに開ける穴径とマグネットフェライトの大きさが非常に近く、全てがギリギリで窮屈な設計である。又、一般的な8cmユニットとビス位置が干渉する部分にある為、やむを得ずユニットを十字位置に付けた。
このユニットで低音が出にくいと言われるのは、ユニット背後の空間が少なく背圧の有効利用が出来ずにストロークが十分に取れないからでは・・・
フランジを赤に塗ったのでキジ目のように成ってしまったが、これはご愛嬌である。
FaitalPRO 3FE25 3 の周波数特性
周波数特性を見ると、150Hzぐらいからダラ下がりとなっており最低共振数Fs=110Hz と決して低音の出るユニットでは無い。
高域特性は決して平らではないが日常の試聴位置は、ユニットから30度ぐらいの所で聞くため、この特性でも良いのではと・・・
試 聴
取り付け直後は全体的に霞の掛かった音であったが、数時間でクリアーになり本来の持っている基本特性の片鱗が見えてきた。
一週間のランニングを経てエッジ・ダンパーも落ち着いてきたのでレポートしてみる。
以前は、紙コーンを使用すると紙臭いと言っていた小生であるが、他のコーン素材でもポリプロピレン・チタン・アルミ・マグネシューム、それぞれの特徴ある音が聞こえる。
紙コーンの場合湿度に敏感なのが気に掛かるが、と言いつつ紙の音が徐々に好きになってきた。
ベースは、引締まって中々の音がでる。当初より問題と考えられた低域不足については、8cmユニットを考慮すれば充分である。
ピアノは、敏感なタッチ音が分かるほどレスポンスが良い。又、ボーカルは小口径ユニットらしくジャストフォーカスされる。中域の音程は、明快で味付けのない素直な音が出ている。
このユニットの一番の売りである紙コーンの澄んだ高域は、少々きつく感じる。しかし、これがバイオリン等の弦楽器を素晴らしく鳴かせる。
このイタリア製ユニットの詰めは、楽器中心で音造りが進められたと感じる。
ある程度のパワーを入れないと本領発揮出来ず物足りない部分もあるが、このユニット専用の箱を作れば相当のポテンシャルを発揮しそうである。
FFT測定
この3FE25 3に合わせた最終調整を行っていないのだから、この結果で満足すべきであろう。
因みにVer.4のW3-881sjfを調整後は、右の結果となっている。
共に200・250・300Hzの所に似たピークがあるが、これはホーン開口部からの3/4λ漏れで、開口部を閉じると減衰する。
FaitalPro 3FE25 3 TANGBAND W3-881sjf
参考資料
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
鈴木茂氏
”穴あけ共鳴管スピーカー"
http://mcap.web.fc2.com/resonant.html
大沢博多氏
”多重共鳴管スピーカーを作ろう Vol.1 Part1”
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-1_MPR_howto.pdf
”多重共鳴管スピーカーを作ろう Ver.1 Part2”
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-2_MPR_howto.pdf
Ver.5(W4-930SG)の最終調整 [ATL-Speaker]
2015/07/22
Ver.5(W4-930SG)の最終調整
最終チューニング
ユニットは、W4-930SG使用で下記した(1)(2)(3)の組み合わせで聴感を優先してFFTでチューニングをした。
(1) 吸音材は、極力少なくする予定であったが高域の反射波を押さえる為、最終調整ではグラスウールを比較的多く使った。
(2) 背板の開口部の面積であるが、シミュレーションでは55c㎡と出たが試聴の結果48c㎡まで絞った。
(3) 前面のⅠのφ7cmは開放、ⅡⅢの2孔φ2.8cmを開放。
という事で、共鳴管に孔を沢山開け平面バッフルの状態にしたA.T.L. (Acoustic Transmission Line Speaker)であるが、これでも共鳴管として動作しており、50Hzまで充分に伸びている。
平面バッフルの良いところも受け継がれ、音離れも良く高域のメリハリが効く。
W4−930SGは、高域が飛んで低域が弱い じゃじゃ馬のような評価があるが、十分に大きいエンクロージャに入れた場合そのような結果にはならない。又このユニットは、比較的丈夫なダンパーを使っている為、長時間のエージングが必要と感じる。
ATLノート
ATLのショートホーン形式の選択理由
(1) 共鳴管として1/4λでの動作できることが条件となる。
折り曲げ回数が2回以上となると共鳴管として1/4λでの動作が出来なくなるので、1回折の共鳴管を選択した。
長岡先生が共鳴管設計時の折り曲げ回数の実験をされている。
結果として180度ターンの1回折り曲げ(Jホーン)が良く、2回以上曲げると十分な共鳴効果が得られないと書かれていた。
2回以上のホーンの折り曲げは、ユニット後部に空気室が必要となり、動作としてはバックロードの範疇に入ると考えられる。
(2) 共鳴管の先を絞ったテーパーにする事により、1/4λの計算値よりも下限を稼げる。
(3) 適性ユニット(Qts 0.4~0.7)を探すことで、量感豊かな低域が出る。
(4) ATL_Ver.5の設計は、共鳴管内の平行部分を極力作らないようにした為、完全ではないが管内の定在波を抑制できた。
(5) 共鳴管は、ユニットからの背圧を受けにくく平面バッフルのように動作する。この為、本来ユニットの持っている自由度の高い中高域特性が出る。
等々・・・と、爺は勝手なことを言う Bye Bye
参考ホームページ
ATLに似た形式のスピーカーメーカー
Albedo Audio
http://www.albedoaudio.com/inglese/home.html
Elvins Diamond speakers
http://www.elvins.livepages1.com/loudspeaker.htm
Ver.5(W4-930SG)を試聴 [ATL-Speaker]
2015/07/08
Ver.5(W4-930SG)を試聴
試 聴
スピーカー(Ver.5 W4-930SG)・アンプ(PMA-50)・CDプレーヤー(Azur351C)で試聴。
今回のCDは、全て1000円であるが音質的にはどれも素晴らしいものである。
Fauré : Requiem by Michel Corboz & Berne Symphony Orchestra
Gabriel Faureが1880年代後半に作曲したレクイエム集である。
1972年5月カジノ・ドゥ・ベルンの録音でMichel Corbozが指揮している。
Michel Corbozの音楽センスは、細かいところまで考え尽くされた特出した構成となっている。
リマスターCDとしては一品で、音に艶があり微小入力に強く空間表現力は素晴らしいものがある。
第3曲サンクトスでは、染み透るような素晴らしいボーイ・ソプラノが静寂の中から湧き出る。そこには心癒す何かがある。
一種独特な揺らぎを感じる曲もあり、夜聞き込んでゆくと睡魔と共にその場に居るような錯覚さえ覚える。
紙コーン(W4-930SG)の持つ透明な高域は、クラッシックとの相性が非常に良い。
Paul Desmond Desmond Blue
1962年LPリリースの2002年にリマスターされたCDである。1960年代の煙草臭い中でジャズを聴いている感じがする。
1曲目のMy Funny ValentinはMiles Davisも良いが、Paul&Hallが演奏すると格別な感じがする。
2曲目にタイトル曲のDesmond Blueが入っている。うっとりするような、ふわ~として包み込むようなサックスの入りであり、Paulの真骨頂を感じる。
Dave Brubeck Quartetで名を馳せたPaulであるが、このRCAから発売されたギターの巨匠Jim Hall との演奏も美味なアルバムに仕上がっている。
サックス等の管楽器と共鳴管は、形状も似ておりマッチングが良いようである。
Milt Jackson Pyramid
1960年に演奏された4回のセッションから構成されている。
その後、2003年?に24ビット・デジタル・リマスタリングされたものを聴いた。
演奏者としてのMilt Jackson(VBP)も素晴らしいが、John Lewis(P) の構成が良い。
当時の50年以上も前のマスターから作られた音とは思えない臨場感があり、冒頭の Vendomeではビブラホーンの揺らぎと、乾いたドラムスの打音が迫ってくる。
MJQのアルバムで思い浮かぶのはDjangoであるが、このPyramidも素晴らしいCDの一枚である。
Ver.5は、透明でエッジの切れる音源に対して素晴らしい表現力&レスポンスを見せる。
Ver.5(W4-930SG)の設計は、低域下限を必要以上に伸ばしていないが50Hzまでは粗落ち込みなく満足できるものである。高域も透明感がありツイーター並みの伸びがすばらしい。又紙コーンの独特な表現力と繊細感がある。
良いじゃ~ん
このスピーカーも音楽を聴くのに満足できる完成度まで達したようだ!!
Ver.5 Short horn speaker のユニット選定 [ATL-Speaker]
2015/06/13
Ver.5 Short horn speaker のユニット選定
初回の試聴で、背面の孔・延長ダクトⅣを閉じた状態ではじめた。
Ver.5の主目的とした平行面を極力無くした設計の音は、定在波が減り余分な振動が減って素直に音がでている。一応対策は成功したと言える。その労力足るや相当なものであった。
シミュレーションでは、バスレフと共鳴管の中間的な音が出るのではと考えていたが響きは共鳴管そのものである。
95cmの片閉じ直管ホーンの1/4λは89Hzであるが、Acoustic Transmission line(ATL)で出口方向に絞った場合、シミュレーション上では55Hz前後出ていた。然しながら、W4-1337SDF(TANG BAND)のFFT測定では、80~150Hz間で低域が減衰する。
Punch2
又、音楽を聴く上で、もう少し低域を欲張りたく上図のⅣを開け⑤板を移動してL=115cmにロード長を延長した。設計時の直管とはならないが、これだと音楽的に充分な低域下限を確保できる。
しかし延長する事で低域(80~150Hz)で更なるタワミが起きてしまうので、ここでW4-1337SDFを諦めることとした。
W4-1337SDFは、Qts:0.34が小さ過ぎ高域に独特の強調感がでる。
良いユニットであるがATL_Ver.5とのマッチングはイマイチであり、どちらかと言うとスーパースワン等のダンピングを効かせたバックロードに向いている感じがする。
共鳴管スピーカーは、Qts(Qo)が0.4~0.6ぐらいのバスレフ向きユニットがフィットするようである。手持ちの中からATL_Ver.5に適合しそうなユニットの比較表を作った。
Performance comparison
4FE35(FaitalPRO) W4-930SG(TANG BAND)
W4-927SE(TANG BAND) Alpair7V3(Mark Audio)
今後、PARC Audio DCU-F121W、FOSTEXのFE-88ES-R等も考えている。このほかにも手持ちユニットで適合するものがあればテストしてみたい。
ユニットの比較
以下、4ユニットをチューニングと共に試聴した。
4FE35(FaitalPRO)
これは、珍しいイタリア製ユニットである。
コーンはカーボンファイバー製のようである。素材として良いか分からないが、紙コーンには敵わないが強靭で内部損失が大きい感じである。
特性としては、Full-Range Wooferと書かれているようにウーハーに近い。
口径が小さくそのままでは使えないので、シム(外形φ13cm・内径φ9cm・3mm厚)を用意した。
初動は、酷い音であることは周知の事実であるが、1週を過ぎたあたりから素晴らしい響きを味わうことが出来るようになった。更に1週間後の試聴では、低域が出すぎQts値が少し大きいと感じた。
対策として、背面の2孔を開放して、ユニット+箱のQtsを変化させてみた。その後の試聴では、比較的フラットになったが、僅かに低域のブーミー感が残る。 これは、箱との相性かもしれない??
周波数特性をみると、2ウエイがベストなのかも・・・
W4-930SG(TANGBAND)
今回テストした中で紙コーンを使った唯一のモデルである。
このユニットは、マグネットにネオジューム使用しているが、現在は製造中止となっている。
周波数特性を見ると今回選択した中では、一番フラットであり、Qtsも 0.47とVer.5にフィットしそうなユニットである。
中低域は、余裕と深みがあり非常に良い。高域は、20kHzまで伸びており打楽器等のアタック音も素晴らしい。初動では少々の硬さがあり肉声を聞くと紙コーン独特のカサカサ音がした。
1日が過ぎ、カサカサ音も減り情報量豊かな音に変身しつつあり、今後に期待を持たせる。
2日目、低域は素晴らしく伸びて来ており、ダイナミックレンジも非常に大きくなる。
数日で満足できる領域に達しており、これで最終チューニングを行えば上手く仕上がりそうである。
W4-927SE(TANGBAND)
このユニットは、TangBandの得意なポリプロピレンコーンを使用している。このユニットもマグネットは、ネオジューム使用であるが、当時は希土類使用でも安価で購入できた。
現在は、このユニットの後継機としてフェライトモデルが出ている。
中低域の出方は申し分なく、高域は伸び切ってはいないがウーハー的な音ではない。
帯域は70~18K Hzで他のユニットと比べると僅かに劣るが、帯域内では鮮明な音を聞かせる。
このユニットも以前使用したこともあり、エージングは短時間で済み3日目には本調子となった。
このユニットの一番の特徴である音場感は非常に素晴らしく、音がスピーカーの外側に大きく出てくる。4ユニットの中で3D効果が一番良かった。どちらかと言うと、クラッシックを聞かせるのに向いたユニットで、刺激音が少なく微小入力が上手く表現される。
Alpair7V3(Mark Audio)
Qtsは、0.54でこのユニットも数値的にはベストフィットしそうである。
周波数特性をみると、比較的平らで高域は30kHzまで延びている、低域も充分にのびていてワイドレンジのユニットであるが、比較的おとなしい音造りで全体的に線が細い感じがする。
一週間程度、試聴を繰り返したが線の細さは変わらなかった。
このユニットとVer.5(容量)とのマッチングは、いまいちであった。
他に、同種のユニットであるAlpair7 MAOPも持っているが今回はテストしなかった。
ユニットの選択
最終的にW4-930SGとW4-927SEの選択となったが、非常に迷うところである。
低域は、ユニットとエンクロージャーのマッチングで決定されるが、双方五分五分であった。
ジャズ等のアタック音ではW4-930SGが良く、クラッシックはW4-927SEが若干良く聞こえる。
今回は、エージングが程よく進んだ W4-927SE を選択した。
Spectrum Analysis
W4-930SG W4-927SE
W4-930SGの場合W4-927SEに比べわずかに高域が出ているが、スピーカーの角度で調整可能である。又感覚的に僅かに低域が伸びを感じW4−927SEを選択した。
この2つのユニットは、振動板を除けば比較的近い構造を持っているので、最終調整後も気分に寄ってユニット変更も可能である。
ユニットは、値段・市場・開発テーマに関係なく突然ポテンシャルの高いものが生まれるようである。
メーカーも評価の高い同種のユニットを開発し、FFT測定では粗同じ結果を出してくる。
しかし本質的に人が感動する音と、FFTで作られた音とは全く別物である。
だから適当??・・・に作ったユニットの中から、非常に優れた突然変異が生まれるのであろう。
まぁ 小生の場合、遊びであるから何とでも言えるが・・・ Bye Bye
参考ホームページ
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
Ver.5 Short horn speaker の組立・調整 [ATL-Speaker]
2015/05/11
Ver.5 Short horn speaker の組立・調整
Ver.5 の概要
今回、湾曲ベニヤを用いたことで計算上の管の断面積を略一致させることが出来た。
設計上は、平行面が略無くなり管内の定在波の削減ができるかと・・・
例えば、定幅(Constant width)が20cmの共鳴管の場合、λ/2の850Hzの倍音で水平方向に定在波が立つ。ちょうど人間の声であるとか、楽器の比較的聴きやすい気持ちの良い周波数で起こる。
このことは、密閉・バスレフ・バックロード・共鳴管でも起きる基本的定在波の問題であるので、近年の箱は平行面の少ない箱が増えてきている。
共鳴管でこの様な視点から設計をしているメーカーは、海外に数社あるが・・・
小生も試行錯誤の末これで最終案として製作をはじめた。
⑤の板は、FFT測定を踏まえて小生好みの音に調整するための補助板であり、ここの板を外すと10×5cmが開口され、ロード長の調整が出来る設計とした。又、ここで単管と折り曲げホーンの音質変化の実験も出来る。
今後、測定・試聴の結果次第では、この⑤を活用する可能性がある。
Ver.5 Punch final
組立&加工
(1) 既にカットされている①のパイン材にスピーカー穴(φ10.3cm)とザグリ(φ12.5cm)&低音用の開口部(φ7.0cm)を自在錘で開けた。
このパインカット材の精度は、いまいちで1mm程度の誤差はあった。
(2) ②板下に③のはめ込み用に溝切りをした。(幅2cm×長さ20cm×深さ1.5mm)
②には、斜めに側板を取り付けるのでガイドの溝があると精度を出し易い。
(3) ①+②の上下の接着。天板の振動は、毎回出るので②の天板に補強材をいれた。
(4) (3)+③の上部木口の加工(カンナがけ1mm程度、現物合わせ)
(5) ④の加工、Rベニヤを現物あわせでカット。④の背板を側板に付ける。隙間が出来ないようにRベニヤ側面をカンナ掛けで精度をだす。 +調整用の孔開け(φ2.7cm×2)
(6) ④を(3)に入れ、曲率の大きい所は、一晩強制的に曲げておく。
(7) 計算した断面積に合わせこむため、4枚の補助板に沿ってRベニヤを湾曲させ④と(3)を接着。
曲率の大きいところでは、ミシミシと音を立てたが割れることはなかった。
(8) スピーカーターミナルの取り付け結線。ケーブルはBELDEN9497を使った。
--------------------------- 吸音材の実験&調整 --------------------------
ここでならば、側板がオープンできるので吸音材の実験が比較的簡単に出来る。漏れ等もあるが、大雑把な音のあたりを付けてみたい。又シミュレーションを含めたFFT測定と試聴を行い、今後の参考としたい。
設計は、吸音材を含めた内寸で計算したが、平行面を無くした事で吸音材無しでも行けるかも知れない・・・
シュミレート&FFT測定
(a)(b)(c)の3条件で実施
(a) 吸音材なし
(b) 吸音材を側内面のみに貼る
(c) 吸音材全面に貼る
共鳴管(a)(b)(c)の断面積
(a)(b)(c)のシミュレーション
吸音材の量と共鳴管の上図の断面積でシミュレートした。
(a) l=95cm,r=11.2cm,r2=3.5cm (b) 9.5cm,r=10.3cm,r2=3.5cm
(c) 9.5cm,r=9.5cm,r2=3.5cm
シミュレーション結果として、吸音材を少なくしたほうが 低域ピークが顕著にでるようである。又、最低域が1/4λ計算値より30Hzぐらい下がるようである。
(a)(b)(c)のFFT測定
(a) (b)
(c)
FFTの結果は、シミュレーションと経験値からこの様な波形になることは予測していた。しかし、低域減衰は思っていたよりもきつく一寸心配である。
300,400Hzのピークは、両閉じの共鳴管とした時340m/0.95m=358Hz(1λ)が前面開口部から漏れると勝手に考えた。測定でも、前部(Ⅰ)の開口部を閉じると、このピークは潰される。
(a)(b)(c)のシミュレーション結果は大同小異であるが、聴感上は大分違う。
結果&問題点
(a) 吸音材なし
FFT測定では63Hzをピークがでている、しかしピークと100Hz間が弛むシミュレーションに近い結果となった。95cmの最低域ピークは1/4λの計算で90Hzであるが、これを大きく上回った。
試聴では、残響音が残るが?エージング・調整次第ではこれで行けるかも知れない!!
(b) 吸音材を側内面のみに貼る
100Hz以下の低域のボリュームが少し足りない。今後の経時変化も考慮しても吸音材の微調で行けそうである。側面の上部だけに貼ると良さそうである。
小生の好みは、少々の共鳴音がしても振動板のレスポンスが良い音を好む。
(c) 吸音材全面に貼る
低音が死んで躍動感が足りなくなる。又バランスが崩れキンキン音が強くなりシミュレーション通りとはならない、共鳴管の絞りすぎが原因で減衰が大きいためと考えられる。
吸音材なし/背盤(Ⅳ)閉じ/φ2.8mmの背面孔(Ⅱ,Ⅲ)を開放
(a)(b)(c)の結果より小生の好みで試聴を行い妥協点まで詰めた。今回は、背面孔(Ⅳ)を閉じ、前面孔(Ⅰ)、背面孔(Ⅱ,Ⅲ)、と吸音材の組み合わせで測定を行い詰めてみた。10K~16KHzは、ユニットの高域特性なので勘弁をして貰いたい、しかしながらスピーカーを前方に向けた為、試聴ではあまり尖がった感じは無い。
結果として、ユニットエネルギーとエンクロージャーでの低域減衰を考えて、側面上部に吸音材を使う(a)(b)の中間を選択した。
今後、裏板④に開けた調整孔ⅡⅢの開閉、Ⅰの孔径の変更、Ⅳを開け共鳴管長の変更等々で最終の追込みをする予定である。
FFT結果から未だ低域エネルギーの量感不足&低域の伸び不足を感じる。
今後も思考錯誤は続きそうである・・・
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(9) 共鳴管内の側面上部のみに吸音材を貼り付ける。
(10) (8)に③´ を接着。
接着時は③④が完全接着出来たかを④板を叩き、音で確認した。
浮いている場合は、クランプを移動して締め上げる。この時、板に応力が掛かり音質に影響するので、事前に精度良い合わせこみが必要。
以下後日に実施
(11) 側板に持手を付ける。移動時に大変重宝するので・・・
(12) 小生の趣向で前面板①の左右をラウンドとする。
(13) 板の面あわせを紙やすりの100番でサンダー加工、仕上げは600番でおこなう。
(14) 側板にカラープレートを貼る予定。
(15) 前面板①と天板②は、水性透明二スで仕上げる予定。
(完 成)
簡単に書いたが、ここまでの製作に2ヶ月間以上を要した。
爺は疲れるのだ!!
次回Blogは、試聴・最終調整を考えてみたい。
参考ホームページ
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
Ver.5(Short horn speaker)の板取 [ATL-Speaker]
2015/03/19
Ver.5 Short horn speaker の板取
板 取
板取と言っても、定番の集成板を切って貰ってあるので一部加工をするだけである。
加工部は、スピーカー孔・ユニットの鬼目ナット用の孔・共鳴管の出口孔・側板の木口処理 その他である。
一番困難と思われるのは、背板④のカット&ベンドであろう。作る前から頭が痛い!!
設計段階で平行面を極力少なくする事で共鳴管での定在波を立ちにくくする実験も入っている。
しかし製作は、定幅の共鳴管より数段高い組立・加工レベルを要求され、素人工作には苦労するところも多い。
Ver.1(1.7m・4inch)から始まり、Ver.2(1.3m・4inch)、Ver3(1.4m・5inch)、Ver4(1.1m・3inch)と作成してきたが、遂にVer.5は、95cm・4inchのストレートショートホーンとした。
この単純明快なストレートホーンが、凶とでるか吉とでるか判らないが・・・
細部の板については、省略した。④⑤の板厚は誤りで2.0cmを1.2cmに変更。
これで最終形としたが、製作途中でごちゃごちゃと変更・追加する事も考えられる、それだけいい加減な設計なのである。
後部下の黄色の板は予備板で低域不足の場合の逃げを打ったデザイン(自信のないズル)である。
その対策として、共鳴管を延長可能とし共鳴管背板下部にφ8.0cmの孔を開ける。その他に、背板に調整用φ2.0cmの穴を2ヶ所開ける。
3ヶ所の予備孔を開けた強度的には充分と考えているが、箱の響き(箱鳴り)にはあまり良くないと思われる。
この設計で心配なところは、4inchユニットでこの共鳴管内の空気容量が適量かである、シミュレーションどおりの設計であるが、空気総量が少なめに見える。
シュミレーションプログラム上では、最低域55hzと出て来るが実際の低域は40hzぐらい迄伸びるとの我欲がある。
最終的にFFT測定で平滑化する予定であるが・・・
それよりも重要なことは、小生にとって気持ちいい音がでるか否かである!!
次回は、Ver.5の組立のBlogを書いてみたい。
参考ホームページ
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
Short horn speaker 集成材&湾曲ベニヤの選択 [ATL-Speaker]
2015/02/03
Short horn speaker 集成材&湾曲ベニヤの選択
素材・板厚の選択
前回のATLのShort horn speakerの設計に僅かな設変を加えたものをVer.5とした。
Ver.4で使用したパイン集成材とMDFで比較的良い結果を得たが、今回はMDFを使わず、前面板(2.5cm)・上下板(2.5cm)・側板(2cm)の集成材を使用することとした。
殆ど集成材での作成で、Ver.4のようなコストパフォーマンスは期待できないが、今回は素材重視で比較的重い響きの良いものを選んだつもりである。
集成材の寸法・枚数
1000×250×25mm×2 枚 ¥1,940×2=¥3,880-
1000 (カット200×4)×250×25mm×1枚 ¥1,940×1=¥1,940-
1000 (カット952)×200×20mm×4枚 ¥1,250×4=¥5,000-
総合計 ¥10,820+送料(¥4,000)=¥14,820
背板ベニヤの選択
断面積のExponentialカーブに合わせる為、背板を湾曲可能なベニヤとした。
1~4mm程度の湾曲ベニヤが販売されている。これを曲げて1.6cm厚まで積層させて作りたい。(下図の茶色部)
1.6cmと薄いように思えるが、強度的には、湾曲させることと面積も狭いことから、強度的に弱くないと考えている。
と言うことで、今回の製作では、現物合わせでベニヤを湾曲させる作業が一番の課題となる。
価格は未定だが、特別に高額になるとは思っていない。
小生の雑な性格からすると、ベニヤでこんな難しい曲面を作るのは逃げたかったが・・・
趣味の世界とは、こんなものか???
Punch
使用可能ユニット
TangBand W4-1337SDF、TangBand W4-927SE、Alpair7 MAOP、 Alpair7V3
今後、予算があれば PARC Audio DCU-F121W も考えている。
設計変更
シミュレーションを再度おこない、r2を3.2cmから3.5cmに僅かな変更をした。
シミュレーション後 L=95cm、r=9.5cm、r2=3.5cmとした時の断面積と共鳴管の設定。
前後方向は吸音材を無くし、左右にウレタンを貼る吸音材少なめの設計とした。
参考ホームページ
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
W4-1337SDF をATL Ver.2で聴く [ATL-Speaker]
2015/01/28
W4-1337SDF をATL Ver.2で聴く
W4-1337SDFの購入
Parts Express で10cmユニットを物色していると、W4-1337SDFが高評価を得ている。
悪い虫が疼き、購入を決めてしまったが、国内では何処を探しても在庫はなく、渋々Parts Expressより個人輸入となった。
台湾→USA→日本ではコストアップは仕方がない。 ユニット代金$47.37×2+輸送量$52.91、総計¥18,302を支払い、5日間でUSAよりデリバーされた。
趣味の世界とは、無駄使いをすること??
W4-1337SDFの仕様
周波数特性
W4-1337SDFの観察
最近のTANGBANDは、OEMメーカーから脱皮して独自開発で良質なユニットを作るようになった。
マグネットはフォステックスFEシリーズの10cmと同等又は上回る重さを持っており必要充分な磁束を確保している。
特徴的な振動板はチタンコーンが使用されている。
アルミの比重2.7に対してチタン4.5である。チタン合金(64合金クラス)強度は比較に成らないほど強いが、この振動板が純チタンか64合金かは定かでない。又内部損失に関しても分からない。
フレームは、アルミダイキャスト製で背圧も考慮した腰高な設計となっている。
開口径φ96mm、ビス4穴のφ115mm位置、フォステックスFE10cmシリーズから即置き換えられる戦略的設計をとっている。
周波数特性を見ると可聴帯域スレスレの10kHzからレベルが8dbぐらい高くなっている。これはフルレンジの高域を延ばす手法で、意図的に持ち上げられていると思われる。小生の耳ではこの部分の音色の判別は付かないと思われる。又、スピーカの角度によっても高域は大きく変化するのでこの程度は許容範囲と考えられる。
実効振動板半径は実測では、W4-1337SDF r=3.75cmであり、Alpair7の実測値r=3.5cmと比較すると相当に大きく感じる、面積比で言えば1.2倍ぐらいあるのでは・・・
W4-1337SDF をATL Ver.2で試聴
Ver.2のエンクロージャーで視聴可能かをシミュレーションした結果、設計当初のユニット(TANGBAND W4-924SE)と近い特性を示したので、このままでOKと判断した。
前回のTANGBANDの W3−881sjfも経時変化は少なかったが、それでも本領発揮までは2週間程度必要であった。総じて非紙系の振動板は、比較的経時変化は少ないようである。
今回も、ユニットを取付けランニング2週間を経過したので視聴に入った。
このユニットの最大の特徴であるチタンコーンの音であるが、金属音がする訳ではなく高域は素直に伸び滑らかである。
振動板面積の大きさと強力な磁束のおかげで、10cmユニットとしての低域の伸びは素晴らしく骨太の低音も出せるし、フルオーケストラから出る柔らかい低域も表現できる。
視聴では、低域は50Hz 以下まで伸びていると感じる。又、シミュレーションでも50Hz付近までのびておりFFTで実測すれば、最低域40Hz前後まで伸びていると思われる。
何を聞いても情報量が非常に多くダイナミックレンジが広いため、3D効果も非常に良い。
W3−881sjfも名器と感じたがW4-1337SDFは、それ以上のポテンシャルを感じる。
この様な、良いユニットが国内販売されていないとは残念である。
今回テストしたVer.2+W4-1337SDFは最終調整なしで良好な結果を得たが、前回ブログで設計した新共鳴管のエンクロージャーを早急に製作したい!!!
ユニットの購入先
Parts Express International Inc
feedback@partsexpress.com
http://www.partsexpress.com
New design of Short horn(W4-1337SDF) [ATL-Speaker]
2015/01/21
New design of Short horn(W4-1337SDF)
W4-1337SDF用Short horn の概要
TANGBAND W4-1337SDFを使用して、1m共鳴管で50Hz 以下を狙った設計をしてみたい。今回のシミュレーションでは、50Hz付近まで出せることから実質的には40Hzが出ると考えられる。片側閉管で1/4λを計算すると85Hzであるが、これを遥かに超える40Hzをショートホーンで狙う。
これまで設計したATL(Acoustic Transmission Line)Speakerは、シミュレーション上で低域を延ばすには、音の出口に向かって絞りがきついほうが低域が増加する。しかし無闇やたらに絞れば良い訳ではない。又、吸音材も含めた設計とした。
と言うことで、筐体高1mで設計し50Hz 以下を狙おうとすると、天板付近が結構な大きさとなり出口付近は絞るため貧相な形となる。
USAのシミュレーションソフトでは、共鳴管で平行面があると定在波が起きているので、極力これを避ける板取り設計とした。その結果加工が非常に難しくなってしまった。
異型共鳴管&バスレフのハイブリッドの実験機として作ってみたい。
今回も、背面には孔を開け対処法的な最終調整をするつもりである。
Simulation
l=95cm、r=9.5cm、r2=3.2cm
Cross Section
参考ホームページ
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
Ver.4.1 + W3-881sjf の最終調整 [ATL-Speaker]
2014/10/10
Fig.1
Ver.4.1 のまとめ
ごちゃごちゃと同じことを書いてごめん!!!
設計段階での歪と低域対策
(1) 歪対策として、共鳴管にテーパーをもたせ逆ホーン型とした。
シミュレーション上で直管に比べテーパー付きは、共鳴管特有のピーク・ディップは明らかに小さい。
(2) 低域の効率UPのため、2つ折の共鳴管とした。
小生のシミュレーターでは、直管で計算されるため 2つ折・3つ折の結果は得られない。
しかし経験上、等長の3つ折管は効率が悪く低域を稼げず奇数波歪も多く出た。 等々で今までの試作より現在の2つ折り逆J形とした。 又、長岡先生の2つ折りJ型共鳴管も参考とした。
(3)数本の共鳴管を作り、歪が出ることを前提として実験用に2箇所のφ4cm孔を後面に開けた。
(4) 共鳴効率を上げるため、当初より吸音材部も含めた太めの設計とした。
2つ折としたのも共鳴効率を稼ぐためで、折り返し点での音圧減衰は大きいからである。
奇数次歪の対策
試聴してみると、奇数次歪が聞こえる。
対策として、片側閉管共鳴管のピークである、奇数次歪(1/4λ・3/4λ・5/4λ・・・)の鳴き止めを試みた。具体的には、ある周波数をターゲットにガス抜き孔を開けてみた。
(5) 1/4λの調整は、Fig.1の一番下の穴を上板下から中央82cm-φ4cmとして、63hzピークと80hzボトムの補正をした。
(6) 3/4λの調整は、中央の穴径を調整して、上板下から中央37cm、φ1.5cmで70~100hz付近の調整をおこなった。この調整は、他の孔とも相関関係がある。
ピーク潰しは、モグラ叩きのように、こちら潰せばあちらが出てくる面倒なものである。
(7) その後の試聴でn次歪?? の対策をした???
ある程度、共鳴管が完成してくると高次歪が気になるものである。
FFTスイープで1/3オクターブを平均化すると見えないが、リアルタイム測定でピンクノイズを入れると、高次歪があるピッチで見える。 同様に試聴でも、ある周波数で高次歪を感じる。
対策としてφ1.2cm孔を22cm所に開けた。 殆ど音には影響ないと思っていたが、スピーカー近傍の孔は効果大である。
この孔を調整する事で高域の微調整ができた。具体的には孔内にスポンジを入れて音質の変化をさせた等々。
高域はすっきり見晴らしが良くなり靄ついたところが取れ、はっきり・すっきりしシンバル等の楽器が明瞭に聞こえるようになる。
突っ張ったところがなく、とても聴きやすくなった。
ATL共鳴管の利点・欠点
この方式の利点は、振動板に掛かる背圧が少なく、振動板の自由度が大きいため微小信号の応答性が良い。この為か、ストロークが長く取れ遠近感があり明瞭な音となる。
又、ショートホーンの割には、低域を稼ぐことが出来る。
共鳴管の欠点として、独特な共振音が出るため耳障りな音と感じて、そこで投げる方も多い。 しかし、ここからが正念場で、最終調整に成功した者だけが美音を聞ける!!
”仏作って魂入れず” では、共鳴管があまりにも可愛そうである。
FFT測定
結果は、前回の測定と略おなじである、しかし臨場感等は大きく変わっている。FFTはその様なものである。あくまで平均的な表示であり、音を評価する最終手段ではない。
追 記
最終調整後1ヶ月でユニットの熟成を見る為、再度FFT測定してみた。
なんと、8k~10kHzの落込みがなくなり、何もしないのに全体の平滑化が進み63Hz~16KHzで ±3dbを達成した。
スピーカーは、生き物のように諸条件により状態が逐次変化するようだ!!
参考資料
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
鈴木茂氏
”穴あけ共鳴管スピーカー"
http://mcap.web.fc2.com/resonant.html
大沢博多氏
”多重共鳴管スピーカーを作ろう Vol.1 Part1”
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-1_MPR_howto.pdf
”多重共鳴管スピーカーを作ろう Ver.1 Part2”
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-2_MPR_howto.pdf
Ver.4.1 + W3-881sjf の試聴 [ATL-Speaker]
2014/09/17
Ver.4.1 + W3-881sjf の試聴
Ver.4.1の側板に透明ワックスを塗り、前面・上面に樹脂板(0.6mm厚)を貼付け完成。
最終形のFFT測定
ユニット変更後、少々のエンクロージャ側の変更を加えスイープでFFT測定してみた。
FFT測定は非常にクリティカルで正確な角度・位置決めをしなければ測定精度が落ちる。 勿論部屋の影響・温度・湿度も加味しなければならない。
等々で8kと10kHzの落ち込みは、ユニット・マイク或いは部屋等の問題と勝手に思い込んでいる。
一様 63Hz〜16kHzまで±5dbと言うことで合格とした。
試 聴
バージンユニットは、聴くに絶えない音が出るのが一般的であったが・・・
しかし今回のW3−881sjf は、エージングが必要ないほど自然に音が出てきた。
W3−582SC に比べ粒立ち・鮮度が良く音が自然に聴こえる? W3-881sjf は、僅かに高域が延びている為か、誰が聞いてもその差が分かるのである。
小口径のユニットらしく輪郭鮮明でエッジの効いた躍動感ある音、3D効果も優秀で遠近感がはっきりしている。ヴォーカルなどは、小さく口が引き締まっており情報量も多く音像が空間に浮かぶ。
本当に8cmユニットと思えない信じられない程の豊かな低音を再生できるが、50Hz以下の重低音は皆無である。
バッフル幅を21cmとしたことで、中域も充実しており落込みも殆ど感じられない。
ただ、高域のざらつきは共鳴管の宿命かもしれないが依然として残っている。
大きさを考慮しなければ、ユニットも含んで仕入総額 2.2万円(2本)のスピーカーとしては、超ハイCP・超ハイポテンシャルである。
ひょっとするとW3−881sjf は、名器か???
スピーカー評価のためにCD レヴューを書くつもりはなかったが ? ? ?
それでは・・・
Marie-Claire Alain によるバッハオルガン作品全集を再生してみた。
Alain のパイプオルガン演奏は素晴らしいが、このシステムでは腹を揺るがすような重低音は再生できなかった。
8cmユニットで、これ以上欲張っても仕方がない
きっぱりと60~20kHzまで出れば良い・・・
それより最高のパイプオルガニストであるAlainの音楽を楽しむこととした !
次に、Hilary HahnのBach: Violin Concertosを聴いた。
ジャケットのHilary Hahnの顔を見ていると何処かあどけないが、演奏は本物で素晴らしい。
彼女の才能と表現力は、若手の中でも最高のヴァイオリニストの一人であろう。 ゆったりとした演奏の中に、繊細な表現力があり、完璧で非の打ち所がない。
その中でも 『オーボエとヴァイオリンのための協奏曲』 は素晴らしい!
ドイツ・グラモフォンのデジタル録音で、最新CDの進化を感じる一枚である。
小生のスピーカーシステムとの愛称もよく、癒される素晴らしい演奏がそこにあった ! ! !
最後にJacintha のJazz Vocal 『Here's to Ben』 を聴いた。
Jacinthaは、マレーシア生まれで音楽家庭に育ち。シンガポール大学で英語を学んでいる。
癒し系Jazz?? で心に訴えるような素晴らしい歌唱力であり、とろけるような歌に引き込まれてしまう!
東南アジアの叙情的で洗練された優しさ・癒しを感じる一方、Nancy Wilson のようなアメリカ風の歌いかたもする。
一聴してJacintha が歌っていると分かる個性のない個性と言うものが感じられる。又録音も素晴らしく彼女とバックグラウンドとのマッチングは非常に良い。録音も素晴らしく、オーディオ評価用CDとして高評価できる。
Jacintha の 『Here's to Ben』 は、小生にとって最近のベストアルバムの一つかもしれない。
参考Blog
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
Ver.4.1 の ユニット (W3-881sjf) 変更 [ATL-Speaker]
2014/09/11
Ver.4.1 の ユニット (W3-881sjf) 変更
穴径&ビス位置より、TangBandの数種類のユニットからの選択肢しかなく、その中よりW3-881sjf を選んだ。
W3-881sjf W3−582SC
W3-881sjf とW3−582SCの形状は略同じで、マグネットシールドを取ったことと、フランジ形状以外見た目に違いはない。振動版は、双方とも同じポリプロピレンコーンに見える。
シールドを取ったことで磁力線の出来方が変わり、能率が上がったのではないかと推測される。
個人的には、磁力線をシールド内に押し込めるより自然に出来たままが良いと考えている。又、磁力線が外部に漏れても液晶TV等には影響しないので問題視してない。
W3-881sjf の周波数レンジは、低域が100Hzまで、高域が20000Hzまで素直に伸びていて2db能率が高い。
このことが音的にどの様に影響するかが楽しみである。
購入価格は、2,280×2+760(送料)=5,320円で比較的リーズナブルであった。
W-881sjf 周波数特性(TangBand)
W3−811sjfの周波数特性は、100~20000Hzまでフラットで8cmフルレンジの理想に近い。
シミュレーション
W3−582SCをテーパー状の共鳴管(ATL-Speaker)に入れた場合のシミュレーションを行った。
言い忘れたが、このシミュレーションは低中域のみを見ている。小生のエンクロージャー作りは、ここにターゲットを絞っている。
シミュレーションは、お世話になっている "自作スピーカー設計プログラム" を借用させて戴いた。
W3−881sjf、共鳴管長115cm、r1=7、r2=5cm
前回のミスを踏まえて管長を115cmとしてシミュレートしてみた。この周波数特性でも、調整で W3−582SC と略同じ低域特性を目指してみたい。
60Hz~200Hzのたわみは気になるが実測がどうなるかが楽しみである。
測 定
先ずは、シミュレーションとの整合性であるが、欲目で見て比較的似ているのでは???
シミュレーションで60Hz~200Hzのたわみと書いたが、実測でも似たような波形が出ている。
このシミュレーションと実測結果は、共鳴管の形状からしても妥当な結果であり、これからもお世話になりたいソフトである。
FFTの周波数特性を見るとW3-881sjf とW3−582SCは殆ど変わらない、しかし音を聞くと双方のユニットは大違いであることから、FFTが何を示しているのかを把握できていない・・・
スイープで測定しているため、立ち上りの微小波形が測定できず音が変わって聞こえるのでは等々???
低域再生下限の誤差
前回のBlogでは、管長の長さの取り違いで低域再生が伸びているのではと書いたが、それを考慮しても計算と実測値とが合わず説明が付かない???
ATLを4作つくりその実測値より、、テーパー付き共鳴管の最低周波数限界は、管長から計算される1/4λより-20Hzぐらいが低域再生下限域のようである。
Ver.2(10cm・1.4m)では41Hz、Ver.3.2(12.5cm・1.5m)では37Hzぐらい、今回のVer.4.2(8cm1.15m)は55Hzぐらいが下限域のようである。
1/4λからの計算よりもシミュレーションの方が、低域再生限界に近似しているように思える。
この現象について詳しい方が居られれば、教えて戴ければ幸いです。
Ver.4.1 +W3-881sjf の 試聴は、次回Blogで・・・・
参考Blog
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
ATL-Speaker Ver.4.1 の測定・調整 [ATL-Speaker]
2014/8/14
ATL-Speaker Ver.4.1 の測定・調整
最終調整後の周波数特性
測定・調整
スピーカー後ろに開けたφ4cm×2 の穴を開閉し、共鳴管特有のピーク・ディップを測定する。その結果をもとに8cm ユニットで、どこ迄低域を伸ばし、且つ平滑化できるかチャレンジしてみたい。
Ver.4.1背後の穴1、穴2
測定方法
Ver.4.1 のユニット(W3-582SC)軸上1mで20Hz?~18KHz をスウィープ、FFT1/3 オクターブで積算表示。
各データ測定を3回行い略同様の結果が得られた。
測定器具
(1) Computer / MAC Mini
(2) FFT Soft / SignalScope Pro
(3) Condenser microphone / BEHRINGER ECM8000
(4) Phantom power supplie / BEHRINGER MIC100
測定結果
A. 穴1と穴2を閉じて測定(標準)
B. 穴1を閉じ、穴2を開けて測定
C. 穴1を開け、穴2を閉じて測定
D. 穴1,穴2を開けて測定
測定結果
(1) A.B.は略同じ周波数となり、穴2(共鳴管端から82cm φ4cm)の効果は少なく見える。
穴2の開閉では、80Hz が数db上昇しているが低域全般の周波数への影響は少ない。
(2) C.D.を見ると、穴1(共鳴管端から37cm φ4cm)の開閉は相当に効くようで、測定値にも大きく影響している。 穴1を開ける事で100Hz が上昇して63Hz、80Hz は、ロードが掛からなく落ち込みが大きくなる。 又穴1を開放してしまうと穴2の開閉をしても殆ど影響しない。
調 整
この共鳴管の特徴である、63Hz ピークをロードの掛かり方を減らしフラットにしたい。
測定結果より、穴1の大きさを徐々に絞って行けば、100Hz は減衰して63Hz 付近にロードが掛かるようになり平滑化できると考えた。
穴1の径を1/2、1/4、1/8と変えてFFT で波形を見ながらカット&トライで調整した。
その結果、穴1を1/8(≒φ1.5cm) にした時、良い結果が得られたので⑦板にφ1.5cm を開け測定した。
E. 穴1をφ1.5cm、穴2を閉じる
次に、穴2も開放し穴1をφ1.5cm として測定した。
F. 穴1をφ1.5cm、穴2を開放(最終調整後の周波数特性)
結 果
FFTの結果を見ると相当に凸凹しているように見えるが、マンションの部屋での測定はこんなものであろう。
甘くみて63Hz から16kHz まで±5db に入ったことから、最終的にF.を選択した。
小生が下した±5dbは 、人に厳しく自分に甘~い Selfish評価なのだ !
8cm で63Hz を達成、1m 共鳴管でそんな低音が出るの??
と思われる方もいるかもしれませんが・・・
でるんです63Hz が ! ! !
63Hz 以下もダラ下がりの低域にしたかったが 8cm では少々エネルギーが足りないようである。
W3-582SC のコストパフォーマンスの良さもさることながら、ポテンシャルも非常に高いことが分かった。 8cm ユニットで63Hz は頑張り過ぎの感があるが、音質的にも10cm 高級ユニットと比較してもそんなに劣っている訳ではない。但し、50Hz 以下はスパット切れて全くない。
フルレンジの高域に付いては ”ありのまま” である。
気になる所は、500Hz 前後の落込みが見られる、これに関しては未だ良い考えがない・・・
8cm ユニットは、一般的に中域中心の音創りをしていることもあり10cm にない良い部分もある。
周波数特性を見ると、63Hz~16kHz まで比較的平らであり、腰を据えた低域と質の良い中域再生を期待している。
性能本位でこの形となったが、如何せんデザインはブサイクである。この筐体に8cm ユニットはどう見ても似合わないのである ? ? ?
しかし強度・背圧の有効利用・バッフル効果を考えると幅はこの位は欲しいし、高さも共鳴管として動作を考えると最低90cmは欲しい等々でこの形となった。
設計ミス
設計ミスと言うより、考え方の間違えが測定から判った。
管の長さは、管の端から出口までと考えていたが、実際は、管の端から端までのようである。
FFT の結果を見ると、63~70Hz 付近にピークがある。 と言うことは、1/4λ が70Hz とした場合1.2m の管長となる。
設計段階では、管長を1m として計算したが出口から上のデッドスペースも管長と考えられ、その部分を含めると1.2mとなり測定値と略一致する。
以前から疑問であった、低域が計算以上に伸びたのはこの為であろう。
単純ミス ! ! ! 反省・・・
ミスを修正して、この筐体にシミュレーション上でベストマッチするのは、Alpair7 MAOP or Alpair7V3 のようである。 何れ、Alpair7 を取付けてみたい ! ! !
試 聴
前回の試聴では、ヴォーカル・音声が凹んで詰まらない音と書いたが・・・
一晩寝ると全く違う世界が見えてきた、バランス良く低域も出て3D 効果も全く違って聞こえる。
このユニットは比較的早い段階で熟成してくるようである、毎日が楽しい !
Lucia MicarelliのMusic From a Farther Roomを聴く
バイオリンの響きが素晴らしく共鳴管とマッチングが非常に良い。又このCDで100Hz 以下の低域部分が快く軽い低音がでている。
ATL-Speaker の特徴的低域は、包みこむような低域の上に演奏が広がる感じがする ? ?
録音にもよるが、音が散らばるような素晴らしい3D 効果を味わえる。これは小径ユニットの最大利点ともいえる、強いて言うならば、スーパースワンのような・・・
Diana KrallのWhen I Look in Your Eyesを聴く
ピアノが素晴らしく、大げさに言うとピアノの大きさまで表現できる ? ? ? しかし高域のタッチが少々耳につくが、暫くあいだ経時変化を待つしかない・・・
小口径ユニット(8cm) の最も良いところでヴォーカルは、本当に素晴らしい !
このスピーカーとマッチングが良いのは、何といってもクラッシックであろう。
柔らかい低音と空間が広がったような3D効果による臨場感は素晴らしい !
誉めすぎであるが、自作であるので我侭を言わせて貰った。
この世に2点とは無いスピーカーであるから ! !
初めての8cmユニットを使ったATL-Speaker は、小生にとって一寸衝撃的な別世界であった ! !
参考資料
鈴木茂氏
”穴あけ共鳴管スピーカー"
http://mcap.web.fc2.com/resonant.html
大沢博多氏
”多重共鳴管スピーカーを作ろう Vol.1 Part1”
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-1_MPR_howto.pdf
”多重共鳴管スピーカーを作ろう Ver.1 Part2”
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-2_MPR_howto.pdf
ATL-Speaker Ver.4.1 の製作 [ATL-Speaker]
2014/8/4
ATL-Speaker Ver.4.1 の製作
化粧直しは、後日とした。 センターの①に化粧板を接着・側板の⑪はニス塗装予定。
板材の選択・加工
今回は、リーズナブルプライス路線でと考えて、近所のDIYショップで12mmMDF合板(一枚¥2,000)と側板の集成材(¥4,000)を購入、その場でカット(代金¥850)依頼した。所要時間は、2時間程度であった。
MDFカット後の出来栄え・精度は良く、これなら思い通りの追い込みも出来そうである。MDFと集成材で製作するのは始めてであるが、材質の違いで音がどのように変化するのか比較も出来る。
計8箇所の穴あけは、自在錘で開けた、その他スピーカー裏材のザグリ加工等もDIYで行った。
設計変更
Fig.1の設計変更をおこなった。
変更点は上部のコーナー三角材を取り払い、天板に15.2×4.0の補強用板を付けた。これに伴い②を若干の傾きを持たせて合わせ込んだ。
その他、スピーカーターミナルの設置位置を確保するため⑥⑧の板を入れ替えた。
Fig.1
組立手順
実作業は、Ver.2・Ver.3と略同じであるので組立手順と一部の写真のみとした。
(1) ①+⑩(天板)を接着
(2) (1)に⑪を接着
(3) (2)に⑩(底板)を接着
(4) (3)+③+④+⑤を接着
(5) (4)+⑨を接着、補助板⑭⑮を使う
(6) (5)+⑫⑬を接着(設変)
(7) (6)+⑭を接着
(8) (7)+②を接着、補助板⑰を使う
(9) (8)+⑥⑧を接着(設変)
(10) (9)に⑭を接着(設変)
(11) 底部コーナーに三角材の接着
(12) (11)の接着面が平らかを確認する、凸凹があった場合はカンナ等で修整
(13) 箱内(12)に凹凸ウレタン吸音材の貼り付け
(14) スピーカーターミナルにリード線のはんだ付け、②にネジ止め
(15) 凹凸ウレタンの型紙を取り位置を確認後、⑪に貼り付け
(16) (13)+(15)の接着
(17) (16)に⑦×2のネジ止め
(18) ユニット取付
工具等
組み立・加工工具
ハタガネ・クランプ・自在錘・電気ドリル・ハンダごて・はさみ・のこぎり・カッター等
接着剤
木工用ボンド(コニシ株式会社)750g
何度も書いているが、小生は遅効性の接着剤を好んでいる。理由は、10分ぐらいは修正可能であり、強度的にも充分である。
吸音材
ウレタン吸音材(サイズ:0.5×0.3m×6 価格:¥800×6×1.08)
その他
スピーカー端子・三角材・鬼目ナット・木ネジ・内部配線用ケーブル・ハンダ等
ATL-Speaker の話
このタイプATL-speaker(Acoustic Transmission Line Speaker)のエンクロージャー名を聞いたことのない方も多いと思われるが、このタイプのシステムは、世の中ではマイナー中のマイナーだからであう。
近代デザインのATLスピーカー誕生は、A R Bailey著書の「非共振スピーカーエンクロージャーデザイン」で1965年に生まれたようである。
動作原理は、逆エクスポネンシャルの共鳴管で、共鳴のピークを抑えた設計が可能である。
この形式の採用理由は、小生がたまたま行ったシミュレーションで、逆エクスポネンシャルにすることで良い特性が得られたからである。
小生はA R Baileyをコピーした訳ではないが、50年遅れでこの設計に辿り着いたのであった。
特 徴
(1) このスピーカーの基本構造は共鳴管であるが、エクスポネンシャルで絞り込まれている為、シミュレーション上では奇数次歪を少なくすることができる。しかし所詮共鳴管、奇数次歪は残る。
(2) 他の方式より欲張った低域を出すことが可能であるが、箱は大きくなる。
管長1mとしたので1/4λは85Hzであり、経験上それ以下の周波数で共鳴が起こる。理由は判らないが、シュミレーション上では70Hz迄伸びている???
(3) 構造上ユニット後部の容積が大きく、コーン紙に掛かる背圧の影響を受けにくく微小信号のレスポンスが良い。
(4) 開口部から位相反転した音が漏れるため??、遠近感が強く感じる。
プチ視聴
電源を入れ視聴開始 !
共鳴管としての動作確認、低域は思ったより延びないが共鳴管として動作はしている。
W3-582SE(TangBand)でVer.4.1を設計したのでTangBand以外の選択肢はない。
でき立ての視聴であるので適当に読み飛ばして貰いたい・・・・
TV視聴では、アナウンサーが奥に引っ込んで立ち、発声が篭って聞こえる。CDの女性ボーカルを聞いてみても同様の傾向が感じられる。
BLディスクの映画鑑賞は、臨場感豊かであるが声が奥から聞こえる時がある。
然し、3D効果は優秀である。
それでも、酷~~い々々々々音である ! ! !
とは言え、ATL-speakerで最初に酷い音がするのは何時ものことである。
熟成をかさね、Ver.2・Ver.3も満足できる音となった。
次回のBlogでは、FFT測定で詰めを行ってみたい。又後部に開けたφ4cm×2の開閉の組合せで、追い込みをかけてみたい !
板カット
Jマート三鷹店1f
http://www.jmart.co.jp/tennpo/22mitaka.html
参考blog
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
W3-582SC & ATL-speakerのエンクロージャ設計 [ATL-Speaker]
2014/7/16
W3-582SC & ATL-speakerのエンクロージャ設計
エンクロージャ設計
(1) 当初の予定では、管長を85cmから110cmまで可変出来る予定であったが、再度設計し直しW3-582SC L=100cmと r1=7.0cm,r2=5.0cmとしてテーパー付共鳴管シミュレーションを行った。
(2) 指数部を振り、入口(r1)と出口(r2)の断面積にあわせ込んだExponential断面積曲線を書き、その曲線に近い板位置を経験値(勘??)を含めてFig.1を描いた。
(a) 折返し点は、2.0mm計算値より大きくとった。
(b) 一番上部の三角コーナーな無いほうが理想に近い断面積となるが、天板が振動し易いので補強の為この構造としたが、作成時に変更も考えている。
(c) 3倍音の実験が出来るように35cmと80cmにφ4cmの穴を開けた。
(d) 最終の板取時には、吸音材迄を内法と考え吸音材分を1.5cmとして設計とした。
Fig.1
(3) 小生の共鳴管は、理想の形状から程遠いものなのである。
私感であるが、共鳴管はタイトな設計をして後から手を付けられなくなるより、ある程度余裕を持った設計をしておいたほうが良い。最後の手段であるが吸音材でも調整は効くからである。
(4) 改めてユニットを見てみた、ア~~!
このユニット、背圧に関する考慮が全くされていない。
マグネット径が大きく、スピーカーの開口部を覆ってしまい背圧利用が難しそうである。
最初の設計では、板が厚すぎて上手く背圧を利用できそうになく、渋々薄めの12mm厚で図面を書き直した。
板 取
これ以上詰めても本質的に変わらないと思われるので、こんなところで勘弁して貰いたい。
製作時の位置あわせに関しては、⑦、⑮、⑯、⑰の板で決める。尚、板の反りに関してはハタガネ・クランプ等を用いて修正予定。
サブロク一枚と側板(90cm×20cm×1.8cm)×4で全体が出来るが、8cm箱では、思っていたより大きな筐体となってしまった。 反省!!
パーツリスト
三角材等の細かいパーツに付いては省略した。又、設計ミスなどが後日判り、⑭〜⑰が3×6から取れなくなった。
コストパフォーマンスなどと前回のBlogで書いてしまったが、ほど遠い設計となった。
参考Blog
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
W3−582SC(8cm)で ATL-speakerのシミュレーション [ATL-Speaker]
2014/06/30
W3−582SC(8cm)で ATL-speakerのシミュレーション
W3−582SC
ユニットの選択
ユニットは、W3-582SCを選んだ。価格も2800円×2と比較的リーズナブル。
ネット上の評価では、振動版にポリプロピレンを使用して澄み切った音と書かれていた。又フレーム・磁気回路も確りした物が使われていて信頼感がある。
共鳴管 Speakerは、特性がフラットな(這い上がりでない)ユニットとの相性が良く、この口径にしては低域が延びている。 諸々の理由から、このユニットを選択してみた。
W3−582SC 周波数特性
W3−582SCの周波数特性を見て貰うと分かるが、170Hzぐらいから低域ダラ下がりでシミュレーション上では、70~80Hzをターゲットとした設計ができるかも??
シミュレーション
W3−582SCを逆テーパー状の共鳴管(ATL-Speaker)に入れた場合のシミュレーションを行った。
シミュレーションは、何時もお世話になっている "自作スピーカー設計プログラム" を無断借用させて戴いた。
W3−582SC、共鳴管長86cm、r1=7、r2=5cm
シミュレーション結果を見ると、管長86cmで計算上では90Hzでピークが出ている。ATLではそれ以下まで低域が伸びるのが一般的である。共鳴管の長さも0.86mで1/4λが100Hzであるからシミュレーション誤差も出ている。
経験上、低域を無理に出そうとすると低域の一部欠落がおき、音楽鑑賞には向かないスピーカーとなる。しかし、この周波数特性を見ると90Hz付近のエネルギーが余っているようにも見えるので、もう少し管長を長くしても行けるかも??
W3−582SC、共鳴管長110cm、r1=7、r2=5cm
ここで一捻りして、アダプター(木片)を使用して管長を伸ばせる設計を考えた為、110cmのシミュレーションも行ってみた。
共鳴管長が110cmの場合1/4λが77Hzであるが、シミュレーション上では70Hzまで低域は延びている。
このユニット&ATLが、聴感上何処まで管長を伸して聴感上で問題ないのかを試したい。又、直管と折り曲げ管の違いも確認してみたい。
その他
共鳴管の特性として出てくる、3倍音の実験もしてみたい。
管長86cmの場合3/4λ(300Hz)付近のピークと落ち込みが気になる。これが3倍音ならば、軽減する方法を考えたい。
対策として、3倍音付近の周波数を計算して穴を開け平滑化する。
共鳴管の設計で必要なパラメータが得られたので、これでシミュレーションは終了する。
これから作ろうとしている共鳴管は、理想的形状から外れている、それ故シミュレーション通りに動作するかは分からない。
製作に当たり、エンクロージャー材に集積材又は無垢材を考えている、又吸音材は凹凸付のスポンジ吸音材を使用予定。
短い共鳴管で設計してみたかったが、1m以上のホーン長となってしまった・・・
エンクロージャーの設計と板取は次回Blogで
Bye!
参考Blog
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line
自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm
Alpair7v3 MAOP をATLで聴く [ATL-Speaker]
2013/12/23
Alpair7v3 MAOP をATLで聴く
Alpair7v3 MAOPの概要
(1) マグネット
Alpair7v3と同等のものが付けられているが、二分割されておらず単体のマグネットに変更されている。
(2) フレーム
Alpairお得意の樹脂フレームで、Alpair7と全く同じと考えられる。
アクセサリー用のフロントカバーは白・黒の2種類が付いてくる。
(3) エッジ&ダンパー
エッジ&ダンパーはAlpair7と同じで、非常に柔らかくハイコンプライアンス化される。コーンのストロークが取れる設計となっており充分な低域の伸びと、3D効果が期待出来る。
(4) 振動板
振動板は、MAOP(Micro-Arc Oxidation Process)の表面処理がされている。
処理方法は、Alpair10 MAOPと全く同じようだ。
(5) データーシート
Alpair7v3MAOPのユニットは、データーシートを単体毎に取り、ペアリングがなされている。
Alpair7とのデーターシートの比較をすると、Moが僅かに大きいため制動が利きにくい感じがするが・・・
試 聴
初試聴は何ともいえない酷い音であるが、暫く聞き込むと突然変わってくるのがMarkaudio ユニットの特徴である。
Alpair7v3が絶好調のところからの置換えで、その落差にがっくり!
MAOPの低域は硬く詰った出方、まだエッジ&ダンパーが馴染んでいない様子でコーン自体の動きに、ぎこちなさを感じる。
高域は綺麗に伸びており、ここがAlpair7v3と最も違うところでもある。まだ素性は掴めないが、MAOPのほうが骨太で中低域が厚く感じられる。
経時変化を待つこと2ヶ月、細部の情報量が増え低域も充実して満足出来る音となった。
小生所有の映画(BD・DVD)の中には、可聴帯域外の低域が収録されている物も多く、フラットでは無いが体感的に低域の震えを味わえている。
計算上の周波数特性からすると、1.3mのATL共鳴管の共振周波数(λ/4)が65HzぐらいでありFFTで確認した40Hz前後迄周波数が伸びることは考えにくいのであるが・・・
Alpair全般に言えることかもしれないが、低域が伸びていることでクラッシックとのマッチングが良く、包み込むような低域の中で、輪郭鮮明で且つ柔らかい中高域が空間から放出される。
他のユニットと比較するとAlpair独特の世界であり、より自然さを感じる。
このユニットの弱点をあげると、ハイコンプライアンス化の弊害か・・・、音だしから15分ぐらいしないと安定しない。
他方、ATL-speakerの弱点は、箱の塗装・吸音材・湿度等に非常に敏感で、変更の度に音が変化して、音が安定する迄数日必要である。
小生にとってAlpair7v3 MAOPは、現時点で一番のユニットかもしれない・・・
参考ホームページ
MarkAudiothttp://www.markaudio.com/
Alpair10P を聴く [ATL-Speaker]
2013/11/18
Alpair10P を聴く
Alpair10pの仕様
(1) マグネット
Alpair10 MAOPと同等のものが付けられているが、マグネットの防振材は省かれている。
小生のATLをドライヴするには、この大きさのマグネットで十二分と思われる。
(2) フレーム
Alpairのユニットは殆どが樹脂フレームで、金属フレームに比べ内部損失が大きく、余計な振動を吸収すると考えているからであろう。
(3) エッジ&ダンパー
エッジは非常に柔らかでストロークを取れそうである。Alpair全般に言える事であるがダンパーは目視する限り非常に薄くハイコンプライアンス化されている。
(4) 振動板
振動板は、Pのイニシャルが示すように灰色のパルプコーン紙が使用されている。
結構硬そうで丈夫な感じを受ける。コーン形状は、可能な限り傾斜を浅く取った設計がなされている。
(5) データシート
Alpair7もデータは皆無であったが、今回も本体・ビス・箱のみである。
データシート等は添付されていないのでネットで調査した結果。
T/Sパラメータ
T/S Anechoic: 2.2/30g spider final version: 10P Gen1
Revc= 6.200 Ohm
Fo= 42.398 Hz
Sd= 88.250 cm
Vas= 29.995 Ltr
Cms= 2.712m M/N
Mmd= 4.719 g
Mms= 5.196 g
BL= 4.741 TM
Qms= 2.425
Qes= 0.382
Qts= 0.330
Levc= 50.196u H
No= 0.579 %
SPLo= 89.645 dB
Xmax = 7mm (1 way) limited by Arrestor
Power = 30 watts Nom.
試 聴
Mark audioのユニットとしては、90dbと能率が高い。
100~20KHz迄略フラットであり、このまま密閉箱に入れても即音楽を堪能できそうなユニットである。
Alpair10・Alpair10MAOPと同形状で小生のATL(Acoustic Transmission Line Speaker)に取付け可能である。
以前にも書いたが、Alpairの形状の優位性と素材の吟味は、他のメーカーより一歩先を行くものがある。
パルプコーン紙と言うこともあり、聴きなれた音がそこから出てきた。
Alpair10MAOPと比べると、固めであるがこの音を好む人も多いのかもしれない。まだ昨日届きコーンの繊維もこなれていないので今後に期待したい。Alpairのユニットは時間が掛かるのが常である。
低域は、コーン紙の強さに助けられ腰が入り硬質な音でガツンと出る。
まだATL-Ver.3は、穴を開け平滑化処理が終わっていないので、この結果が出たのだと思う。
参考ホームページ
MarkAudio
http://www.markaudio.com/
Acoustic Transmission Line Speaker Ver.2の調整 [ATL-Speaker]
2013/8/12
Acoustic Transmission Line Speaker Ver.2の調整
調整方針
今回は、ATL-Ver.2+Alpair7をFFT測定後に、共鳴管特有のピーク・ディップを確認して平滑化してみたい。手法としては、共鳴管内に穴を開ける方法で行いたい。
共鳴管に穴をあける手法は、既に鈴木茂氏の ”穴開き共鳴管システム” に書かれていた。
小学生時に使ったアルトリコーダー(縦笛)のように空気を抜く位置を変えて共鳴させ、周波数を変える方法である。
穴を開け一部をバイパスし2波長の共鳴効果を得て、ピーク・ディップを埋めようと考えたが音波がその様な動きをするかは疑問符が付くところである。
或いはただのガス(空気)抜きになるかも・・・・
ATL-Ver.2+Alpair7のFFT測定
測定器具&測定方法
MAC Mini + SignalScope Pro/FFT Soft + BEHRINGER / コンデンサマイク ECM8000 + BEHRINGER /ファンタム電源 MIC100。
ATL-speaker Ver.2をユニット軸上1mでFFT1/3オクターブで積算表示、20Hz?~20KHzをスウィープして測定。
ATL-Ver.2+Alpair7のFFT測定
FFTの測定では、40Hz〜8KHz迄は共鳴管特有の凹凸はあるものの比較的フラットである。
10KHz以上のピークは、最近の海外フルレンジユニットに多く見られるものであり、敢えて10kHz以上にピークを持たせ可聴帯域ぎりぎりから高域を伸ばす手法が取られている。
共鳴管に穴を開ける
ATL-Ver.2のFFT測定結果を踏まえ、最初のピーク(63Hz)近傍にターゲットを絞り平滑化用の穴を開けてみる。
穴径と位置の計算
ATL Ver.2の管長は1.3mでλ/4 は、音速340mとしてλ/4=340/1.3/4=65Hzである。
FFTの結果を見ると、63Hz・161Hz近傍にピークがある。計算結果と実測を比較すると、ほぼ近傍にピークが出ているところから、この周波数で共鳴していると考えられる。
それでは、ピークから12Hzずらして2波長を単一の共鳴管から作れればと、都合の良い考えを推し進めた。 12Hzずらせ77Hzで共鳴させる場合の管長は約1.1m(λ/4)であり、ここに穴を開ければ良い。
ここで、穴は共鳴管内に開けるのか?又は、側板に開けるのかは迷うところである。
鈴木氏のレポートでは、側板に3穴開けた作例であったが、へそ曲がりの小生は共鳴管内に1穴開けてみた。
鈴木氏のレポートより穴径は、スピーカーの実行振動面積の1/4ぐらいとの記述がある。
Alpair7 gen.3の実行振動面積(50.2㎠)から1/4の穴径を求めるとr=2.0cmとなるが、小生の勝手なシミュレーションでは、r=3.0cm(φ6.0cm)が良く非常に大きな穴となったが、ホールソー径よりφ5.7cmとし、1.1mのところに共鳴管中心から2cmオフセットを取って開けた。
穴開け後のFFT測定
穴を開けたことで63Hz付近のピーク・ディップも予想通り?に平均化されている。
125・200Hz付近のディップが気になり2穴目を考えたが、エネルギー的にこれ以上の補正が効きそうも無く、バランスが崩れそうなのでここで打ち止めとした。共鳴管と付き合うためには、許容範囲内のピーク・ディップは黙認することが必要かも・・・
共鳴管の穴あけ補正は、ピークのモグラ叩きのようなもので、グラフィックイコライザーを扱うテクニックに通じているかもしれない。
Ver.2の穴位置
試 聴
穴を開けた直後の試聴では、軽快な音に変わり細部の表現力と3D効果も増している。
よくある事であるが、低域のバランス変化で中高域の分解能も変わって感じるのである。
FFTの測定結果からも分かるが、低域が平滑化されることでより聴きやすい音となっている。又当初懸念していた穴を開けることによる、低域のアタック感の減衰は殆ど感じない。
結果として穴を開けたことで低域の最初のピーク部のエネルギーを削ぎ、その分埋もれていたディップ部を補完出来たことで低域がより自然に聞こえる。
10cmフルレンジ一発のシステムとしては、40〜20KHzまで10db内でカバーしており広帯域システムと言える。
小生の耳では、最終判断まで時間がかかるが、大枠で期待していた音となった。 (^o^)V
今回のテスト結果を踏まえ、次回はVer.3も同様の改修を行ってみたい。
謝 辞
穴あけ共鳴管の先駆者である鈴木茂氏と、穴位置と周波数補正に関して多くのアドヴァイスを戴いた大沢博多氏に、謝辞を表したい。
Report
鈴木茂氏の ”穴あけ共鳴管スピーカー"
http://mcap.web.fc2.com/resonant.html
大沢博多氏のReport
多重共鳴管スピーカーを作ろう Vol.1 Part1
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-1_MPR_howto.pdf
多重共鳴管スピーカーを作ろう Ver.1 Part2
http://rilsrt.web.fc2.com/documents/RILSRT009-2_MPR_howto.pdf
Alpair10 MAOP+ATL-speaker Ver.3.2の完成 [ATL-Speaker]
2012/11/17
Alpair10 MAOP+ATL-speaker Ver.3.2の完成
カットと板材の購入
今回も、カットと板材の購入は米屋材木店にお願いした。
NC加工でのカットは、高精度で痒いところに手が届く仕事をして戴いた。 これだけ精度の高いカットであるので、箱の完成度があがると期待している。
スピーカー留めに鬼目ナットを入れた際、Alpair10はギリギリの位置にビス穴がありサブミリ単位の精度が必要であったが、正確な穴あけで一発OKであった。
僅かなボードの反りは如何ともし難くクランプ・ハタガネで矯正しながら作成した。これは何処に発注しても結果は同じであろう。
組立手順
実作業は、Ver.2と略同じであるので組立手順と内部の写真のみとした。
(1) ①+③(天板)の接着
(2) ④+③(底板)の接着
(3) (2)に⑤を接着
(4) ②+(3)の接着
(5) (4)+(1)の接着
(6) d,e,f の冶具を使い⑨の接着
(7) d,e,f の冶具を使い、⑧の先端を加工して接着
(8) ⑩×3の接着
(9) ⑩に三角材を付け接着
(10) その他のコーナーに三角材の接着
(11) ⑥+⑦の接着
(12) スピーカーターミナルの取り付け
(13) 吸音材の取り付け、金魚用の玉砂利を三角コーナーの空間に入れる。
(14) ②’の接着
(15) (11)を(14)にネジ止め
設計ミス
いざユニットが到着すると、開口部のザグリにユニットが収まらない。
原因は、設計時にAlpair10 Gen.2の図面を参考としたためフロントカバーを脱着可能と勘違いしたためである。
ザグリを入れて5mm落とし込む設計であったが、直径で4mmほど足らない。φ167mm にカッターコンパス+ノミを使いザグリの再加工をした。
た~いへん!!
塗 装
何時も悩む塗装であるが、WATOCO OILと水性塗料を使い比較的簡単に処理できた。
(1) 側板はWATOCO OILを使い塗装した。
① 1回目は厚く塗り完全に拭き取る、5分程度置き再度処理をして拭取る。
② 20分程度待ち、800番程度の紙やすりで表面を平らにする。
③ 再度オイルを塗り好みの色に合わせ込む。
(注意1)木口の処理は、塗りすぎるとどんどん吸収されるので適当に塗る。
(注意2)ボンドが材面に付いていると、OILが浸透しないので事前にボンドを拭取る又はサンドペーパー等の下処理が必要となる。
(2) 前面板は、水性塗料を2度塗りした。
① 1回目は、水で少し薄め塗装した。
② 完全に乾燥後、800番程度の紙やすりで表面を粗す。
③ ①よりも僅かに薄い塗料で再度塗装。
(注意)塗り始めより乾くと色が濃くなる。
今回選んだ二種類の塗料は、環境に優しい塗料であり臭いも少なく乾燥も速い。
Alpair10 MAOP + ATL-Speakerのプチ試聴
急遽組み上げたATL-SpeakerにAlpair10MAOPを装着して聞いてみた。
エンクロージャーの未乾燥、ユニットのエージング不足、最終チューニング中であるので、適当に読んで貰いたい。
初日は、硬くハイ上がりで調子がでない酷い音である。
Alpair7 の経時変化は、毎日使用して3ヶ月以上本領発揮しなかった事もあり、初動は酷い音を前提としているので心配はしていない。
Alpair10MAOPも同様であり、クリスマス迄は馴らし運転と考えている。
1週間が過ぎAlpair10 MAOPの片鱗が現れて来た。
Alpair10(88.3c㎡)の実行振動半径は、Alpair7(50.2c㎡)の1.8倍弱ある。 この結果? 中低域の余裕が感じられ、雄大で誇張された所がなく、深みがあり臨場感豊かである。
低域が充実したことでピラミッド状に音が構成され、どの様な音楽を聴いても非常に上手く表現できる。
特にクラッシックが良く、オーケストラが奏でる弦楽器の響きは最高である。
又高域も口径からすると十二分に伸びており不満は感じられない。ただ高域のギスギス感はまだ残っており、熟成が待たれる。
口径が大きくなることで、音像もそれに見合って大きくなると懸念していたが、ボーカルも自然な口の大きさで表現される。
空間表現力は、非常に良くスピーカーの存在感を意識させない。
ハイポテンシャルユニットを得て、エンクロージャーのチューニングが楽しみである!
視聴したCD・BD
Lucia Micarelli/Music from a Farther Room, Melody Gardot Worrisome Heart, Diana Krall Love Scenes/When I look your eyes/All for you, Sophie Milman, Chris Botti in Boston(BD), HITMAN UNRATED(BD), etc.
加 工
米屋材木店
http://yoneyazaimokuten.com/