SUN AUDIO SV-2A3キットの組立 [真空管アンプ]
2013-01-23
SUN AUDIO SV-2A3キットの組立
調 査
サンオーディオへ行き試聴させてもらったが、非常に耳当たりの良い疲れない音である、又ヴォーカルが素晴らしく眼前で歌っているようである。
完成品とキットの価格差が大きいのでその理由を社長に伺ったところ、使用部品が違うとのこと、殆どがコンデンサー類で海外製品が多く使われている。 その他、インシュレータとボリュームも違うようである。
小生の経験からも、小型で大容量のコンデンサーを使うと音が悪いことが多かった。
上記した理由より、完成品と同じ部品を組み込んであるキットを購入した。
今回も、最初から設計して・・・と思ってはいたが、高級トランスで組むと自作でも高額になることからキットを選択した。
これで何よりも楽なことは板金加工が無いことで作業の70%以上が軽減できる。又、何がしかのノウハウも戴けるかもしれない・・・
SV-2A3キットの配線
キットと言っても最初からシャーシ上にトランス・ソケット・スイッチ・ターミナル等が固定されて配送されて来るので、配線とコンデンサー・抵抗の取り付けを行うだけである。
キットの中には、有鉛半田も含まれている。
工具として半田ゴテ・ワイアーストリッパー・テスターを用意した。
回路図を見ると部品点数が少なく、非常にシンプルである。ただ、聴感上信頼が於ける部品を比較厳選しており素人にはできない所である。
回路図と実配図も完備しており、2日間の実作業で完成した。
導通テスト後、一寸緊張する ”火入れ” を行った。
一発で動作、後はボリュームでハムの調整をすれば終わりである、ハムは殆ど聞こえずボリュームは殆ど動かさなかった。
正月の暇つぶしには、もって来いであった。
SV-2A3仕様
出力 3.5W / ch
出力管 Sovtec 2A3 ×2
前段 Electro Harmonix 6SN7GT ×2
整流管 Westinghouse 5U4G ×1
回路 無帰還アンプ
配線 リード線
トランス タムラ製作所の特注品
外寸 W360xH190xD270mm
総重量 16kg
視 聴
小生のSV-2A3はランニング状態でまだ試聴して報告するには至らないが、非常に耳当たりの良い、とろけるような音と書いておこう。
SUN AUDIO ホームページ
http://www2.big.or.jp/~sunaudio/
Ver.7の改造と評価 [真空管アンプ]
2009-10-11
6EJ7&12AT7&6V6GT Ver.7改
実験と変更箇所
1. 出力トランスのインピーダンス変更
今回は、出力トランス(以後O.P.T.)のインピーダンスの変更を行い、どの様な変化があるかを実験してみる。
O.P.T.(FM-6WS(ファインメットコア使用))は、2.5k、3.5k、5kの3種類の変更が可能である。
結果として、2.5K、3.5K、5Kと変化させると、ボリューム位置が同じでも、音のダイナミックレンジが広がったような変化を感じる。このトランスでは、初期の予測とは異なり5Kで使用。
理由として、3種類のインピーダンス変更の中では、5Kが張り出し、存在感、雰囲気が小生に好みにあった。
このO.P.T.の高域から低域の伸びは全体の表現力を変えるようで、存在感がより一層深く感じる。
O.P.T.のインピーダンスを変化させて真空管との組合せを見つけるのがベストであるが、もう体力の限界である。
Ver.7ではO.P.T.のインピーダンスは5Kと決めた。
O.P.T.のケーブルはゴチャゴチャもう少し綺麗にマトメられるタイプを考えて!
因みに
B電源、真空管側 〔茶(B電源)、赤(Pプレート)、橙(SG空き)〕
スピーカー側(8Ω) 〔黒(COM) 、白(5K)、灰(3.5k)、紫(2.5K)〕
2. 真空管の選択
①. 出力段の真空管の選択
出力段の真空管は6V6GT(Electro-Harmonix 以後E.H. )製のみ、本来もう少し多くの球を試したかったが、今回の出力管はE.H.のみとした。
②. F.B.管の選択
12AX7と12AT7の選択
F.B.管は、12AX7(E.H.)&12AX7(Tronal)&12AT7(Telefunken)を試した。
前段に6BX6、出力段に6V6GT(E.H.)としテストを始めた。
12AX7と12AT7の音質は、12AX7(E.H.) の方が硬く12AT7(Telefunken)は柔らかくダイナミックに聞こえた。
F.B.管はあまり影響はしないかと思っていたが、聞き込んだ結果Telefunkenの12AT7は、繊細且つ遠近感の表現力には特出しているものがあった・・・
ということでF.B.管は、12AT7(Telefunken)にすることとした。
③. 初段の真空管選択
更に初段の管を追い込む為に数種類の組合せで試聴してみた。
6BX6(松下)&12AT7(Telefunken)&6V6GT(E.H.)
悪くはないが、6BX6の硬さが強調されこのアンプとのマッチングはイマイチと感じた。
6BX6(TELAM)&12AT7(Telefunken)&6V6GT(E.H.)
少し骨太の音に振リたかったら、TELAMを使いこの組合せもよい。
6EJ7(松下)&12AT7(Telefunken製)&6V6GT(E.H.)
6EJ7(松下)は悪くはないが、左右のバランスが取れずマッチングが良くない。もしペア管ならばもう少し臨場感が出てベストになったかもしれない。
6EJ7(RCA)&12AT7(Telefunken)&6V6GT(E.H.)
ペア管の6EJ7(RCA)は、非常にバランスが良くエネルギー感・音場ともにすばらしい。
最終的に6EJ7(RCA)&12AT7(Telefunken)&6V6GT(E.H.)の組合せとした。
現物を作るのも大変であるが追込みは更に大変である、小生の愚耳での判定は時間との勝負である。O.P.T.のインピーダンス&真空管の組合せ等々を考えると時間は幾らあっても足りなかった。
3. その他
①. 抵抗のW数の変更
当初1200Ω(2W)を使用したが、容量不足で抵抗が焼けた、結構な発熱である。
1200Ωの抵抗を2W→3Wに変更
②. パイロットランプの取り付け。
今回は、Ne管を使い電源はAC100vからとった。
③. O.P.T.の鳴き??
O.P.T.の負荷(スピーカを繋いでいる状態)ありの状態で発信は無いが、無負荷状態にすると、可変抵抗(100kΩ)のボリュームが半分の位置でO.P.T.付近よりカリカリと言う音が聞こえる・・・。
この音は、筐体内部から聞こえることが分かった。①で1.2kΩの抵抗を2W→3Wに変更したことで、部品の位置関係が変わり抵抗と筐体間での放電が始まったのであろう。
部品の実装を僅かに変えることで問題は解決したが、50v前後の放電は初めてで原因は不明である。
試 聴
今回の試聴は、H.D.録画された ” 氷の微笑2 ” で比較してみた。
この映画の2分弱のイントロでは、比較的ワイドレンジで 雰囲気・臨場感・空間表現力・力感を上手く表現している。
この高密度の 録音・録画は、音響比較する上では非常に分り易く自作アンプとスピーカの比較に使ってきた。
小生のような記憶力の落ちた者でも、短時間なので扱い易い。
最初に出てくる、車の疾走シーンが録音的には面白い、このシーンとあいまって重低音の車が通過したときの重さというかリアリティ感を体感できるのも嬉しい。
小生の場合リアルオーディオではなく、映像を見ながらの臨場感と音を楽しむ趣向に走っているため、このような媒体をツイ選んでしまうことが多い。
今回は、小生のメインアンプのVer.6(6BX6&12AT7&6BQ5)と比較をしてみた。
VER.7改では、重低音と骨太感ではVer.6には力負けしてしまう。
但し、Ver.7改には柔らかさとか、独特の雰囲気、繊細な部分、奥の深さがある。人は線が細いと言うかもしれないが万人向けの良い音だと思う。
総じて軽く映像を見ながら聴き流すのはこのアンプの方が楽かもしれない。
これでいいのだ??
力感よりも繊細感と優しくソフトな音作りを目指し、小生もジジーになって行くのである。
後日談
当初、初段をRCA(6EJ7)にしたが、6BX6(TELAM)&12AT7(Telefunken)&6V6GT(E.H.)の組合せも良いと感じたのでもう少し追込みをかけてみた。
この組合せで基準電圧を55v→50vに変更したところ、このアンプでは感じられなかった力感と遠近感を味わうことができた。こちらの方が上かも・・・
ということで現在使っている、基準電圧50v、6BX6(TELAM)を最終図面として載せた。
支離滅裂な結論となってゴメン、またまた小生のいい加減なところが・・・
(。・人・`。))ゴメンネ
Ver.7改の最終回路図
雑 感
タカチのシャーシ
このシャーシ(BDN16-26-9)の振動抑制効果は相当なものである。筐体を叩くとコツコツと内部損失が多い音が聞こえ響く音はしない。
前回のVer.6では、O.P.T.の上に鉛の振動防止ウエイトを置くと僅かに締まった音に変わったが、Ver.7改ではウエイトを置いても音の変化は無かった。
このことで超三結のウイークポイントである振動に関しては、充分な抑制効果があったと考えられる、シャーシ加工も大変であるがリターンも大きい。
\(^o^)/
O.P.T.(FM-6WS)
試聴での評価は、真空管(6V6GT)の音ではなくO.P.T.の影響が大かもしれない?
全ては相互効果があるので、な~んちゃって本当はどちらか分らない・・・逃げる!
O.P.T.(FM-6WS)の帯域に付いては、低音も高域も充分に伸びており素性の良さを感じる。反面中域の張出しが少し減ってしまう。又、高域の僅かな暴れを感じるのも事実である。
O.P.T.は真空管アンプの最重要部品の一つであるので、三栄変成器(OPT-5SR)他の組合せも試してみたいが・・・
6BM8
真空管アンプを作り始めた頃は6BM8が一番と考えていたが、数種類の真空管で超三結アンプを試作した結果、別に6BM8でなくても良いではないか・・・
いや、6BM8以外の球のほうが良い音をしているのでは・・・ などと考えてしまう。
それほど6BM8の超三結の音はショックであり、小生の頭の中に固定概念を植えつけてしまった。
追記、もう少しコストパフォーマンスが良かったら6BM8はすばらしい球である。
ジジー
今回の6V6はシャーシ加工でツマズキ、もう3ヶ月近くが過ぎてしもーた。
早く仕上げて次の新型プレーヤに行きたいのであるが、このスピードでは今年中は無理かも知れない。構想は出来ているのであるが・・・
このままでは、真空管アンプは、超三のシングルだけで人生を終わりそうである。
出来得れば超三のプッシュプルアンプも試作してみた~い。
時間をくで~!!
(^_^;
最近思うのであるが、年と共に全てに金を掛けすぎる傾向が出てきた。
値段が高ければ良い音がするのか・・・
恥じかし~い!!
金満主義
体裁を気にする
現実から逃れる
空想に耽る
行動力がなくなる
頑固一徹になる
ヒラメキがない
全てを他人に任せる等
なんともジジーチック!
小生もこの領域に入ったのかも知れない・・・
(^_^)/〝〝
6BX6&12AX7&6V6GT Ver.7 [真空管アンプ]
2009-08-29
6BX6&12AX7&6V6GT Ver.7
構 想
1.シャーシは基本に戻り、振動に強いアルミダイキャストの強靭な物で作ってみたい。
シャーシを探した結果、タカチのダイキャスト製(BDN16-26-9、値段も高い8,840円也)とした。
Ver.6 の真空管再評価 [真空管アンプ]
2009-01-29
Ver.6 真空管再評価
Ver.6 の真空管再評価
2回目の評価をしたのは6BQ5(EL84)のe.h.(electro-harmonix)を入手し、マツダ&Golden-Dragonの6BQ5とのあまりの音の違いに、真空管による音の変化を再評価することとした。
Ver.4で6BM8の真空管の評価結果より、e.h.の6BQ5も気になっていた真空管であった。6BM8の評価でも書いたがe.h.の管は、他の同球にない華やかさと深みを感じる、嬉しいかな6BQ5も同様の性格を持っており、早速評価をしてみたくなった。使用スピーカについてはスーパースワン+FE108E∑を使った。
今回は、一気にVer.6で最良の真空管の組合せを詰めようと思い12AT7にはTelefunkenの新品を秋葉原で購入、electro-harmonixの12AX7も同時購入した。テスト方法としてはVer.6の評価と同様、次の組み合せで6BQ5をe.h.に固定して行った。
1.6BQ5(e.h.) &12AT7 & 6BX6
良い感じである、新品の12AT7(Telefunken)と6BQ5(e.h.)は、非常に良いコンビネーションである。音は、自然で誇張されたところがなく聴きやすく、低域から高域まで自然に出てくる。又、小生お気に入りの6BX6(松下)と相性も良いようである。
*最初に12AT7とのアタリを付けるため、初段の管を6BX6・6EJ7・6EH7と変えスクリーニングしてみた。ここで6EH7(松下)は全般的にレンジが狭くここでは除外することとした。
2.6BQ5(e.h.) &12AT7 & 6EJ7
6EJ7の差換えで、基本的な音の変化は感じられないが、高域に僅かなガサツキを感じる、真空管の経年変化か?もともと持っている特長かは分らない。全域で少し締りがなく感じる。
3.6BQ5(e.h.) &12AX7 & 6BX6
試聴では、12AX7は12AT7に比べ硬い音がでる、最初はハッキリクッキリで迫力があり楽しいが、長時間聞いていると疲れる組合せであり、Tronalもe.h.も12AX7は同様の傾向があった。
又、これは電気的問題かもしれないが、大きな信号が入ると詰まる(引っかかる)ところがある。
4.6BQ5(e.h.) &12AX7 & 6EJ7
6EJ7での試聴も3.と同様の傾向がみられた。この球では、基準電圧を50Vに合わせることができたが本質的な音の出方は殆ど変わらなかった。音は高域が少しガサツキ、全体的に6BX6に比べ緩い音である。
勝手な結論
e.h.の6BQ5とTelefunkenの12AT7を入手したことで音はずいぶん変化した。寄道はしたが基本路線では同じ結果がでた。小生のいい加減なベストの組み合せは
6BQ5(e.h.)&12AT7(Telefunken)&6BX6(松下) となった。
今回の真空管選択で感じたのは、超三結の回路でも真空管でこんなにも音が変わってしまうものなのか?一般的に超三結の音はどの回路でも同じような音がすると書かれているが、傾向は同じでも諸条件の違いと、真空管の状態で随分音は違うと感じた。アンプのオーナーの好みにも寄るが、程よい落し処を探すのは結構大変なことである。又、真空管は新品のほうが音が良いと感じた。女房と畳は~~ 昔別れた母ちゃんごめんなさーい!!
6EJ7・6BX6については、大昔に生産中止しているが良品があれば再チェックしたい。
最終状態での試聴(視聴)
第二弾で決定した組み合せの試聴(視聴)
小生の勝手な評価方法は、洋画(DVD・HDレコーダでの録画)を生の音声で試聴(視聴)する、吹替え版は音声の帯域を切取られてしまっているので本来の臨場感がでないし、一番美味しい1kHz界隈の音が削除されてしまっている。又吹替え版の音声は、音像の位置関係もいい加減である。
日本語吹替えについても、非常に難しいと思われるが、現在の最新機器を用いコンピュータ加工して臨場感豊かな音造りができないものか・・・・と考えてしまう。
小生が多用するメディア・音源は多岐にわたるが、TV用(U.S.版)の画像・音が主で、生録+音楽+効果音のものが多い。
TV用(U.S.版)の画像・音は、作成の段階から臨場感を意識して音作りされたものも多く、彼らの映像・音を作る感性については、抜きに出たものを感じる。たぶん長い間訓練された結果であろう。昔の映画にも、ある系統立った音造りを持っており歴史と積重ねを感じる。
試聴する音は、ショッキングな音も良いが自然音と音声を重視している。例えば店の中で会話した時の部屋の広さ・反射音による効果で、そこに存在する空気のようなものまで感じるものもあり、このアンプで聞くと三次元的な構造配置が音で見えるような錯覚さえ感じる・・・なんちゃって!!
総じて小生の6BQ5の超三結の音は、出力トランス(東栄変成器OPT−5SR(5W))の性格を反映しているのか、どっしりとした低域上に、中域・高域を乗せたピラミッド状の音作りとなっている。
低域については、スーパースワンの10cmユニットで、ここまで低域が出るのかと思う程である、Madona the video collection 93:99のrainは、中音量で聞いても空気を震わし気持ちの悪くなるような低音さえ感じられる。この小さなアンプによる低域の駆動力は、脱帽ものである。中域についても張があり明瞭であると共に、超三結の一番の特徴でもある音像定位も明確で眼前に迫ってくる。高域もこのフルレンジから出る音では満足いくものであった。
評価は低域・中域・高域で考えたが、所詮は低域・中域・高域などといっても、リニアに繋がった周波数であって、スピーカの構造から来たものを人間が感じて音を勝手に分割しただけである。この低・中・高の表現は・・・、と生意気なことを言いながら小生もこの表現を多用するのである。
6BQ5のVer.5からの敵前逃亡をはかって以来、半年間でやっとここまで来た。現在までお世話になっているVer.4と比較をしてみたが、Ver.6は全般的に音に厚みがあり、密度も濃い。
Ver.6(6BX6+12AT7+6BQ5)の製作記にも書いたが、出力トランス(東栄変成器のOPT-5SR)の1次側を3.5Kから2.5Kに変更したことで、Ver.4(6BX6+6BM8)を完全に上回る結果となった。
今回のVer.6の真空管選びで最終的に出てきた音は、嬉しい誤算であった。 6BQ5(e.h)&12AT7(Telefunken)&6BX6(松下)の組合せが気に入り、早速小生のメインアンプにすることと決めた。
音量は控えめに!!!
最後に、超三結の回路を考えた上條氏と、この回路の発展に寄与された宇多氏に感謝致します。
6BX6&12AT7&6BQ5 Ver.6 [真空管アンプ]
2009-01-20
6BX6 & 12AT7 & 6BQ5 Ver.6
再チャレンジ 6BQ5(EL84)超三極管接続アンプ
Ver.5の失敗から半年、悪い虫が小生をクスグリだした。夜は特段やることもないし、酒とカラオケの日々では、身体はボロボロ・脳みそグチャグチャ、これでは財布にも優しくない。
そんなこんなでVer.5の追求をやめ敵前逃亡を図った小生は、昔なら銃殺刑であるが・・・・。
サイバー上の皆々様に勘弁してもらうためにも新バージョンの6BQ5にトライした。
1.Ver.5では、6BQ5を生かしきれなかった。今回の再チャレンジとして、最終段を6BQ5にした超三極管接続アンプ(Super Triode Connection→S.T.C)とする。フィードバック管には松下の12AT7のデッドストックを使用、前段は6BX6を予定した。(6BX6を予定したのはVer.4で思いのほか遠近感があり高域も伸びていたため)
2.Ver.3(6AK5&6BM8)で作成した左右独立電源を細工して、臓物を取り電源に僅かな変更を加えたヤドカリ号を考えた。独立電源を使用した理由は、宇多氏の6BQ5談でB電源不足と書かれていた為で少しでも強力な電源を使用したかった。
3.Ver.3用シャーシの開口部に3mmアルミ板に6本の真空管が入る図面を書き、外部加工とする。
4.AC系のケーブルはシャーシの左右に通す、又信号系はシャーシ内の中央に通す。
5.微小信号(入力信号系)は同軸ケーブルを使う。
6.アースは1点アースとする。
7.真空管の差替えを前提に基準電圧のテストピンは、シャーシ上部に出しVER.2よりの基本設計を踏襲する。
8.出力トランスはシャーシ内の空間確保の為、東栄変成器のOPT−5SR(5W)を購入。
基本設計は宇多氏の6BQ5シングルS.T.C.を参考にさせて頂きました。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hu_amp/6bq5.htm
アルミ板に配線を施しシャーシに組み込む段階では、何とスペースの少ないことコンデンサーの置き場がなく二階建てとなってしもうた。しょせんヤドカリアンプでは仕方ない。構造物(配線とアルミ板)を無理やり詰め込み、オペは終了した。
組込み後最終のハンダ付けを行い回路の再チェックを行う。
詰め込むと意外とスペースはある、イメージした部品配置の悪さを感じる。それではご開帳!!
真空管の選択
構 想
制 作
先ずは、アルミ板の上に配線を行いシャーシに入れた時のイメージをしてみた。以前は4本の真空管が入っていたスペースに6本の真空管を無理やり詰め込んだため、中央線の朝8時状態で身動きがとれない! 隣の真空管の電磁波の影響や熱ドリフトを考えると良い設計とは程遠い設計になってしまった。
試 聴
火入式は順調に進んだ、スイッチを入れると宇多氏設計の初段保護回路の青色ダイオードが綺麗に点灯し数秒後に消えた、あとは御決まりコースで基準電圧を50Vに合わせ試聴に入った。
ファーストインプレッションは、インパクトは少ないものの音は素直で疲れない音である。雄大というか、刺激のない音でコレが6BQ5の音なのかもしれない・・・・・。秋葉原のある店で聴いた6BQ5のPPアンプは同じ傾向の音をしていた。
しかしながらS.T.C.の本来の音でない、今一パンチ力がなくクリアでない。まあ装置の最初の段階はこんなものである 「仏作って魂入れず」 状態である。
今後試行錯誤しながら対策予定している、真空管の差替、乗数の変更等で音の出方も変わるかも知れない。本来オーディオ管として素性のよい6BQ5であるので期待しつつ・・・・・。
真空管の選択については時間を頂き後日報告する。
現段階ではVer.4(6BM8のS.T.C.)には敵わない、Ver.4に切り替えると霧が晴れた感がある。
評価方法としては、真空管の組合せが多いので大雑把な当たりを付け追い込みをしてみたい。
6BQ5の評価に関してはゴールデンドラゴン(G.D.)とマツダの評価を事前に行ったが大きな音の差は小生の愚耳では感じられなかった。
先ずは、6BQ5はマツダに固定して、下記の組み合わせとメーカ別でも評価を行った。
1.6BQ5 &12AT7 & 6BX6
評価として、本来(S.T.C.)の音ではなく霧のかかった感じがあり、音像も引締まりに掛ける。しかし新品の12AT7入手で評価は変わるとこともありうる。
2.6BQ5 &12AT7 & 6EJ7
評価は1.の評価とほぼ同じであった。
3.6BQ5 & 12AX7 & 6BX6
F.B.(フィードバック)管を松下の12AT7(中古管)をTronalの12AX7に変更してみた。効果は絶大である、以前の眠たい音から蘇ったように本来のS.T.C.の音に変身した。音場感も非常によくなった。但し基準電圧の50Vに達することができず40Vでの試聴となった。本来ならば50V欲しいところではあるが。この状態でのテストでは満足な結果と言えよう。将来12AX7を使用する場合は、回路の乗数変更が必要となる。個人的にはこの組み合せが現在のところベストである。
4.6BQ5 & 12AX7 & 6EJ7
評価として、初段を日立の6EJ7に変更したことで、基準電圧を50Vに合わせ込むことができた。音は3.と同等??が得られた。RCAの6EJ7も試してみたが高域にノイズを感じた。所詮、中古チューブでは仕方ない。
今後の対策
現在の結果としては、Ver.6(6BQ5)とVer.4(6BM8)では明らかに音は違う、出力トランスの違いとF.B.管の違いから来ているものと思われる。6BQ5の変更並びに新品の12AT7の変更等でもう少し音は詰められると思う。
気になる点もある、B電源を10V上昇させたら、どのように変化するのか?真空管アンプは、電源電圧には敏感である。近いうちに追試を行う。
追 試、出力トランスのインピーダンス変更
S.T.C.の音は、出力トランスのインピーダンスによる変化が大きいとの報告が多くされている。
今までは、小型トランス東栄変成器製T850の2段重ねを多く使ってきたが、Ver.6ではスペースの関係もありOPT-5SRを使った。この出力トランス(東栄変成器のOPT-5SR)の1次側を3.5Kから2.5Kに変更した。どっしりとした感じは少々そがれたが、高域が明らかに伸びVer.4の音に近い本来(S.T.C.)?の音になった。
2.5Kのほうが全体的にバランスが良く、S.T.C.の独特の臨場感を味わうことが出来た。
ウッシシ!!
回路図作成には、水魚堂さんの回路図エディタ(Free CAD)を使わせて戴きました。
http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm
参考WEB 超三極管接続Ver.1 6BM8 シングル ステレオパワーアンプ 上條信一氏 http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/index.htm http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/6bm8/report.htm
参考WEB
6BQ5超三極管接続アンプの製作 宇多 弘氏
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hu_amp/
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hu_amp/6bq5.htm
参考図書
情熱の真空管アンプ 木村 哲 著
http://www.op316.com/tubes/tubes.htm
参考WEB&図書
参考WEB 超三極管接続Ver.1 6BM8 シングル ステレオパワーアンプ 上條信一氏 http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/index.htm http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/6bm8/report.htm
注 意
1.高圧電源での感電、良くある感電で電源を切った後もコンデンサーに残った電気で感電するケースが多いので要注意です、抵抗等で電圧を下げて作業を行ってください。
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6U8A&6AB4&6BQ5 Ver.5 [真空管アンプ]
2008-11-10
6U8A & 6AB4 & 6BQ5 Ver.5
5.6AB4、6U8Aはネットで購入予定したが、たまに動作不良の球が含まれる場合もある又、e-bay等を利用した個人輸入は注意が必要である、特に東欧からの直接購入は要注意!ネット上では新品と書かれていたが送られてきた物は、中古でその中でも90%はジャンクの場合もある。事後処理が難しく後の祭りとなってしまう。安全サイドで考えれば、単価は高いが国内で探すのがベストである。
6BX6&6BM8 Ver.4 [真空管アンプ]
2008-11-01
6BX6 & 6BM8 Ver.4
6BM8に戻る
6BM8から抜け出ることが出来ない小生、前回の6BQ5アンプの失敗で、また6BM8に戻ってしもうた。まるで6BM8の周りをグルグル回っている子犬のようなものである。これでは技術的に後退かもしれない、と考えながらも6BM8の超三結に魅了されてしまった小生には如何ともし難い。今でも小生は、超三結が何であるか分らない・・・。
構 想
2.主要部品は、解体した6BQ5の電源トランス、コンデンサーも以前使用していた1800μFを1個、出力トランス×4個、6BM8×2本、高額部品はほとんど以前からの再生品で賄ったアンプとする。
3.今回も板金は、図面を書き外部で作って貰う、一番の高額部品はシャーシとなる。
4.AC系のケーブルはシャーシの左側に通す、又信号系はシャーシ内の右側面に通す。
5.微小信号(入力信号系)は同軸ケーブルを使う。
6.アースは1点アースとする。
7.真空管の差替えを前提に基準電圧のテストピンは、シャーシ上部に出しVER.2よりの基本設計を踏襲する。又、5KΩの可変抵抗の操作も上部からドライバーなしで行える様に変更する。
1.回路は、元祖超三結アンプの上條氏設計の6EJ7を使った超三結アンプ(全回路真空管でレトロ調)を参考とし、乗数は宇多氏の6BM8&6AK5を戴き初段保護回路も組み込んだアンプとする。結果として両氏の合体作のようなものとする。
トラブル
部品の実装・ハンダ付け・電源の確認・回路のチェック等、お決まりの作業を終えた後、音だしを始めると30分~1時間でブ~ンと言うノイズが左チャンネルに出た、素人の解析ではほとんど意味不明であった。
宇多氏のスレを見てデバッグを試みたが、球の差し替え、コンデンサーの変更、ダイオードの変更、可変抵抗の変更、いろいろ変えてみたが変化は無かった。
このブ~ンは、入力信号系でケーブルを抜き差した時の音と同じであることに気づき、ハンダ付けを全部やり直すつもりで、入力ケーブルを追った。その結果やっとのこと真空管ソケットのハンダ不良が見つかった。
発見できなかった原因として、ハンダ付け後収縮チューブで覆ったため、目視とテスターではハンダ不良は確認できなかった。起動時収縮チューブは冷えており、その圧力で導通を確保しているが真空管の熱で収縮チューブが柔らかくなると短絡するので、規則的に起こる現象に見え部品の異常と勘違いしてしまった。単なるお粗末なハンダ付けが、最後まで尾を引いた悪しき例である。
6BX6の選択
今回、前段の球は6BX6(松下製)・6BX6(TELAM(ポーランド製))・6EJ7(RCA)・6EH7(松下)と色々試してみた。
特性的には少し違う球でも使用可能で、最適な乗数は得られなくとも音を出すことは出来る。各球を2週間程度試聴し小生なりに判断した結果、現時点では松下製の6BX6が音場感・定位・高域の特性どれも1番であった。基準電圧を50V~70V程度まで変化させテストをしたが前段の真空管交換による変化が最も大きかった。尚、当初、基準電圧は66Vとしが後日55Vの方が良いことが分かり変更した。
左より,6BX6(松下),6BX6(TERAM),6EJ7(RCA),6EH7(松下)
6BM8の選択
6BM8の再テストを小生なりに勝手に行った、1種類を1週間程度聴きながら、6BX6(松下)と写真の6種類の6BM8との相性をテストしてみた。
今回のテストの結果としては、最近作られた6BM8の方が真空も良いのか高効率で出力も大きかった。又、球の太さ(直径)が音にも影響するようで概して,太い方が小生の好みである。
小生が最終的にチョイスしたのは、electro-harmonix(e.h.)の6BM8であった。他の球に比べてパワーもありダイナミックな音であった。低域も充分に伸びており音場も豊かに再現してみせる。欠点とは思っていないが、華やかな音が出る反面僅かではあるが着色を感じる時がある。DVD鑑賞にはこれがよく映像と共に空間表現力・臨場感につながるところがある。
最近までSvetlanaを使用していたが、音色はe.h.と似ているところがある。音場感・華やかさではe.h.が一枚上手であるが、安定感重視ではSvetlanaを取る方も多いと思われる。TRONALに関しては、多少硬いところがあり面白さでは小生の好みではない。Internationalは、中古管で評価は省いた。PHILIPS,松下に関しては現在作られていない真空管で、パワーも少し落ち、レンジも狭いが当時真面目に作られた球であることを感じる。又、古い管でも出力段に関しては、他のアンプで全く評価出来なかった真空管でも十分使えることが分かった。
現行の真空管として、6BX6(松下)、6BM8(electro-harmonix)を使用している。
左より,6BM8(electro-harmonix),6BM8(Svetlana),6BM8(TRONAL), 6BM8(PHILIPS),6BM8(International),6BM8(松下)
視 聴
真空管アンプでは、最終調整を終わった後のポテンシャルの確認と共に、自分の好みの音に追いこむことが楽しい。先ず、小生のVer.3(6AK5 & 6BM8)とVer.4(6BX6 & 6BM8)の比較をすると、Ver.4は高域の抜けが非常によく、又音場感も一枚上手である。しかしながら高域が延びたせいか、低域の重厚さが僅かに弱く感じる。
現在の小生のシステムは、オーディオとはほど遠い 試聴?視聴?分からないが映画を見るシステムに化けている。液晶TV脇に長岡先生設計のスーパースワン(FE108EΣ使用)を置き、超三結アンプを繋ぎ込んである。
よく見る映像は、M:i-2(ミッション インポッスィブル2)である、序盤に出てくるフラメンコのタップ・ギター・拍手の音が臨場感豊かに出てきて最高である。他には、画像はいまいちだが、音が良いM I-5(TVドラマ)がお薦め、録画の中に生活音が多く含まれ、画像と共に臨場感溢れる音が味わえる。又、どの様なコンテンツでも階段を歩く音・ホールの響き・鳥のさえずり等、生活音・自然音が豊かに含まれ三次元的に聞こえれば、小生は至福の時を迎えることができる。
定量的でない評価で大変申し訳ないが、最終的には人間の感覚がものを言うこの世界である。いい加減でも自分が良ければいいのではないか。物理特性では石のアンプに全く敵わない真空管なのに、音だしでは真空管が良く感じるのは何故か、昔、真空管アンプの特性とトランジスタアンプの特性比較表をよく見たが、圧倒的にトランジスタアンプの性能が上であった。それを鵜呑みにした小生が馬鹿だったのである、余談はこのへんで・・・。
大変苦労したが、既存のアンプの中ではVer.4が一番好みの音に仕上がり、小生のメインアンプとなっている。これからも良さそうな同種の真空管があればドシドシ試してみたい。
反省点として何時も思うことではあるが、筐体はもう少しコンパクトな設計としたい。
初心者の真空管アンプ作成の手順
1.どの様な回路で制作するかの調査・決定,例えばシングル・超三結の6BM8を使ったアンプなど。
2.回路図より部品を拾い、部品表の作製
3.電気部品の購入(ネット販売或いは秋葉原等)
4.電気部品が全部揃ったところで、板金の選択(購入部品より大きさを推定し、大きさを決める)、板金図面を書き外部発注の手もあるが高額となる。
*ここでは、ビス、ゴム脚等を忘れずに購入。
5.板金加工(自分で加工する時は、ドリル・パンチ、ヤスリ、ドイバー等が必要)又は図面を書き加工依頼する。
6.仮組をする、塗装をする場合はここで行う。
7.電気配線(半田ゴテ、ハンダ、調整用として最低でもテスターは必要)
a.始めに電源から組み、B電源の電圧確認をする。
b.ヒーター、基盤、真空管の脚等のハンダ付け。
8.結線の再チェック
9.音だし、テスト
注 意
1.高圧電源での感電、良くある感電で電源を切った後もコンデンサーに残った電気で感電するケースが多いので要注意です、抵抗等で電圧を下げて作業を行ってください。
2.ハンダ時の火傷・真空管に触れての火傷、熱は見えませんので注意してください。
3.電解コンデンサーは+−の極があるので良く確認をして配線してください、逆に配線すると破裂する場合もあります。
4.全ては自己責任で作業してください。
6BX6&6BM8回路図
回路図作成には、水魚堂さんの回路図エディタ(Free CAD)を使わせて戴きました。
http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm
部品表
参考WEB 超3極管接続Ver.1 6BM8 シングル ステレオパワーアンプ 上條信一氏
http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/6bm8/report.htm
参考WEB 6BM8超三極管接続アンプの製作 宇多 弘氏
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ehu_amp/6bm8amp.htm
参考図書 情熱の真空管アンプ 木村 哲 著
http://www.op316.com/tubes/tubes.htm
6AK5&6BM8 Ver.3 [真空管アンプ]
2008-10-25
6AK5 & 6BM8 Ver.3
1.回路は前回のアンプと同じ超三結とした、実装配置も独立電源トランス・独立ヒータトランスを除いては同じ。
2.電源トランス×2、ヒータトランス×2、出力トランス×4、コンデンサー はシンメトリーに配置し、コンデンサーは必要以上に大きい物を使った。
3.AC系のケーブルはシャーシの中央側に通した、又信号系はシャーシ内の側面に通した。
4.微小信号(入力信号系)は同軸ケーブルを使った。
5.アースは1点アースとした。
6.ACスイッチを前に持ってきた為、一部信号系とACがそばを通過してしまった。
問題点
自分で考えられることを実行したつもりでだが、結果は思ったような音が出なく再調整の日々が続くのであった。今まで作ったアンプの中ではカッコもエエし、金も手も掛かっている。
重厚なシャーシ、強力電源、十分なコンデンサー容量、しかしながら回路的は何も変わっていない。これでは技術的進歩派は皆無である。諸々の相性などを考え前段6AK5・後段6BM8の手持ちの真空管を差換え、出来ることはある程度してみたが善とは言えない。
写真左よりMullard(EF95),アメリカ産(6AK5),
Novosibirsk(6J1P=6ж1п),東芝(6AK5)
おせっかい
余計なおせっかいですが、このアンプを作られる方へ。
超三結アンプの弱点?宇多氏・その他の方も書かれているように、超三結シングルアンプはシャーシの鳴きには敏感のようです、宇多氏の6BM8超三結V1と同じ回路で、鎧のようなハウらないシャーシ&コンパクト設計がベストの選択と思います。
6AK5&6BM8 Ver.2 [真空管アンプ]
2008-10-21
6AK5 & 6BM8 Ver.2
第2弾
宇多氏のホームページで作られた、クッキー缶の前段6AK5と出力段6BM8の組み合わせの超三結の製作に取り掛かった。
ホームページを読むと練り込みがなされた設計、トライ&エラーで何度も音を追い込んだ模様が書かれており一番の力作と思えたからである。又、安全対策も考えられており、ほぼ万全の設計のように見える。
早速ホームページの図面を無断借用させて戴き制作に入った。
この頃になると、電源の計算、リップルの取り方等を本から学び少しは理解できるようになった。又図面も暗記するほど見てある程度は理解できる様になる。但し、本質的に超三結など全く分っていないし真空管が何ゾヤもほとんど分かっていない。
ブラックボックスをケーブルで繋ぎ、音だしが出来るようになった程度である。
今回は、シャーシ加工から自分で行い多少の工具等も購入した。
シャーシ加工は一番手のかかるものである。部品の実装をイメージしアルミシャーシの上にポンチ絵を描きシャーシの工作に入った。
電源トランス・ヒータトランス・出力トランスは東栄変成器製で揃えた、秋葉原の東栄変成器の店に行くとおじさんがセットで揃えてくれた。前回の失敗(2SC1775A&6BM8時)を教訓にして、出力トランス東栄変成器T850×4ヶの二段重ねとした、2個はシャーシ上に、2個はシャーシの内に上下に配置する設計とした。尚、磁束の方向を考慮し、シャーシ内のトランスも上のトランスと同方向に取り付けた。コンデンサーはシャーシ内に置き、回路も真空管下に配置した。初心者としてはコンパクト設計になった。 部品の都合で宇多氏の設計から外れてしまう所もあったが善とした。又、電圧調整用のボリューム等も上から回せる位置とし、テストピンも上から取れる場所につけた。
最終調整
板金加工(穴あけ)より1週間後、ど素人のハンダ付けも終わり完成した。
お茶を飲みながら、再々度配線チェックを行った後、緊張しながら電源を投入した。
この瞬間がオーディオマニアにとっては至福のときなのである。
電源投入後、安全対策用ダイオードが2秒ぐらい点灯したあと約10秒後に音がでた。真空管のヒータも正常に灯っており、ノイズもなくスムーズに音出しが始まった、テストピンにテスターのプローブを付け調整用ボリュームを回す、宇多氏の回路図通りバイアス電圧を54Vにチャンネル毎に設定した。そのまま放置して10分後再度54Vに会わせ込む(真空管の温度ドリフト等の影響で、±数V程度の変動はある)、これで試聴の準備ができた。
試 聴
全面にある入力ボリュームを徐々にあげる。さすがに宇多氏の設計と追い込まれた乗数設定で完成度も高く、高次元でバランスした良い音である。重低音も出ておりこの小さなアンプからこの低音が出るとは・・・。2SC1775Aの音に比べ全体的にだいぶマイルドになったがバランス・感触・3次元的表現力・定位ではこちらの方が一枚上手である。但し、高域の伸びは2SCが良かった。6AK5は2種類用意して東芝管とアメリカ管を用意したが東芝管はキッチリした音、アメリカ管は安らぐ音であった。又、出力管の6BM8も松下・Electro Harmonix・Philips・Svetlana・RCA他 諸々揃えて試聴したが、Svetlanaが力強く克つ明るい音と感じた。
全体的に見ると、前段が音への影響が大であり、出力段は総じて影響がすくなく感じた。
*回路図に関しては、宇多氏のホームページを参照してください。
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ehu_amp/6bm8amp.htm
問題点
1ヶ月余りのランニングで1.5KΩ(2W)の金属皮膜抵抗が焼けてきたのでセメント抵抗1.5kΩ(3W)に変更した。
その頃になると少し気になる部分が出てきた、シャーシの泣きである。如何せんシャーシはアルミ製の1mm程度の箱であり、おまけに放熱効果を狙い真空管の穴を大きくとりアルミのシールド板に真空管を取り付けた二重構造とした為、振動には極めて弱いのである。試しに脇の部分に2kgの鉛を置くと音が締まって聞こえるのである。加工が楽なのでこのシャーシを選んだが、最終的には振動対策が必要になってしまった。
真空管を外し上部から見た写真ですが、お恥ずかしい加工です
このアンプを友人に試聴して貰ったところ、とても気に入ってくれた為、友人に預けJBLを鳴らして貰うこととし、愚かにも第3弾のスタートをしてしまった・・・・・
初めての6BM8超三結 Ver.1 [真空管アンプ]
2008-10-19
2SC1775A&6BM8 Ver.1
寂しい侘しい、嫁いでしまったTU895の後継機はと考えつつ夜な夜なネットを見ていると超三結、なんだ これ脱腸か腸捻転かなどと良からぬ創造をめぐらす毎日、”超三結”あっちにもこっちにも出るは出るは、アンプの本にも載っている。小生の情報量不足を反省やっと行き着いたのが元祖上條氏、小生6BM8しか知らないのでこのアンプの超三結を探す、ホー1号機にそれらしいアンプがあった。このホームページ歴史を感じるう〜 中には6BM8の製作記事もあり男は黙って図面を借用!
部品の調達、更に超三結を作る前段階での板金図面を書く日が続いた。
*電気図面に関しては、上條氏のホームページを参照して下さい。
板金上に部品を仮配置した状態
使用した部品
試行錯誤
ようやく部品も揃い板金も調達でき、始動したのが計画をしてから3カ月もたっていました。行動力のなさに反省しきり、やっと音が出たのは4月の中旬でした。初回の火入れでは上條様の書キコを無視し回路のチェックを怠り部品を破損してしまいました、バージンでなくなった超三結6BM8を再度チェック、ダイオード・トランジスタを交換後再始動しました。小生の場合は一部がシャーシに短絡していました。セメント抵抗(2kΩ/5W)の両端を70V(10分程度待つ、真空管のヒータが温まる?真空が良くなるの?)とし調整を終了、SPに繋ぎました、SWをONし待つこと10秒、音が出たではあーりませんか!!
試 聴
ここから先は超三結を創られ感動日記を書かれた先人の方とほぼ同じ感想となりますが、私感と偏見に満ちたアンプ評価を小生なりにしますと、凄い・怖い・デカイ・美味い・嬉しいいい加減にしろ!てとこかな。
6BM8&2SC1775A 中身は殆ど何もない、シャーシ塗装は大失敗した
問題点と反省点
充分な評価も出来ないまま問題が発生しました、何回か電源のon/offを繰り返しているうちに2kΩの可変抵抗が焼けてしまう現象が数回起こりました、対策として、電源の端子を220V(B電源で300V以上あった)から200V(B電源で260Vとなる)に変更しました。電気回路は殆ど判りませんが結果OKとなりました。他の超三の回路図を見ていますと可変抵抗間、セメント抵抗間に保護コンデンサーが入っていました。
最初はいい音であると思いこんでいましたが、聞き込んでくると出力トランスの高域が耳障りとなって来ました、出力トランスをオゴッテって高級品としたところ這い上がりの音となり、超三結で皆さんが言われている低音の伸びが感じません。価格じゃない、素材じゃない、電気特性じゃない、新製品じゃないと反省ザル。
対 策
ネット上にストッピングダイオード追加は、小出力のトランスには有効であると書いてありましたので実験してみました。
先ずはストッピングダイオードをB電源より真空管側と、出力トランス側に追加しました。
音の変化としては、以前よりも低域に厚みを感じるようになりました。又、低域の入力が大きい時、引っかかるような部分がありましたが、この部分も解消されました。
TU895 [真空管アンプ]
2008-10-18
TU895との出会い
TU895
またもやネット上で嘉穂無線(その後のイーケイジャパン社)のTU895なるものを見つけ即落札、音はというとあの淡白なスワンの音がJBL風の音に変身、JBLの粘っこい中域のモッチリ感がある。これはオイルショップのおやじのところがベストな嫁ぎ先と思い速攻での嫁ぐこととなった次第です、このアンプJBLのホーンにはジャストフィットのアンプでJBLホーンからでる乾いたサックスの唾の飛び散る音、枯れたリードの音はすばらしいに尽きます、パワーを入れたときの低音はたかが6ワットのプッシュプルアンプとは思えない爆発的な頭を殴られるような力強さを持っていました。
TU894 [真空管アンプ]
2008-10-18
TU894
TU894との出会い
私が6BM8を知ったのは6年前、近所のオイルショップに出かけ待合室のイーケイジャパン社の真空管ステレオアンプ TU894を聞いたことに始まります。
そのオイルショップではJBLをTU894でドライブしていましたが、これがもの凄くいい音をしているのです。JBLの図体に比べ不釣合いなこの2万円弱のシングルアンプは6BM8を2本使ったマッシブ(言い換えればズングリムックリ?)なアンプで、ここからこんな音が出るとは信じられなかった(今思えば故長岡鉄男先生が紙面上で絶賛されていたことを思い出しました、当時小生もアンプはトランジスタと偏見を持っていた為、先生も何故にいま真空管かと思っていました)。オイルショップのおやじもそれが自慢らしく誇らしげに自分のシステムを紹介し始めました。小生の心の中で寝た子を起こすかのような夢中にさせる音、20年以上もオーディオを捨ててきてきた人生も、50にしてエネルギーを貰い青春真っ只中のあの時を思い起こさずにはいられませんでした。そんなこんなで小生の真空管アンプの旅が始まりました。
キットの作成
当初TU894の購入を考えましたが販売終了とのこと仕方なく後継機と呼ばれるキットを購入しました。小生のように電気回路がわからず、初めて真空管アンプを作る場合はキットがベターです。手引書を見ると大変良く書かれていますし、部品集めも必要ない、又板金加工がないのは何より助かります。基盤も出来ていてほとんど半田ごても使わずにプラモデル感覚で作ることが出来ます。
又、真空管アンプが、どの様な構成で出来ているかを学習できます。
注意)高圧部分がありますので感電には十分注意してください、又半田ごてでの火傷にも注意しましょう。