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FE88ES-R トールボーイ スワンの製作 [トールボーイスワン]

2010-03-09
FE88ES-R トールボーイ スワンの製作
スワン&TBS2.png
この段階ではユニットは、FE108EΣを付けてみた。最終的にはFE88ES-Rにする。

組み立て開始
板材が2010/2/9にMAIKZOUクラフトさんより届いた、精度の方は非常に良く仮組みをしてみてもピッタリと会う。又切断時に仮組みを行ない精度の調整を行なっている様である。
さすがMAIKZOUクラフトさん はプロである。
これで位置が合わない場合は小生の腕の問題である。
総重量は目の子勘定で、トールボーイスワン1本の重量 ≒20Kg であろう。
(ス-パ-・シナアピトン18mm厚で一枚 ≒20kgである)
まあジジイでも手に負える大きさか?

接着剤・塗料の選択
Bond.png


接着剤
数あるボンド類・木工用接着剤を選択には少々気を使う。
小生の場合、数度のスピーカ工作を行なった経験から、コニシの木工用ボンドを選んだ。
理由は簡単で、コニシの木工用ボンド(CH18)は遅効性で付けた後も修正は効く、又ハミ出た箇所を濡れ雑巾で綺麗にふき取れ、塗装の下地として良好な面を作る事が出来る。
木工工作は、面と面をボンドで接着するので、そんなに強固な接着剤は必要と考えられない、又遅効性のボンドの方が木に対する浸透性もよいのでないか・・・ と勝手な理屈を付けて決めた。

塗 料
水性ニスとした。水で薄めることができ、ハケ等を後で洗浄するのが簡単である。
乾燥すれば硬質となりスピーカに向いている?
以前の経験から、仕上げは水性ニスの光沢が好きである。
何処か水性と言うことだけで安全・エコの雰囲気がある。
ホボ無臭である。
メーカーは和信ペイント製でローズ色を使用した。
今回は、少し赤に近づけたかったが、ローズと書かれていたので買ってみたが、ローズには程遠い色となった。まいいか・・・

トールボーイスワン(TBS)の組上げ フロー
最初に構造物毎にユニットを作成し、その後全体の接着を行う。
それでは、組み上げをフローと写真で見て戴きたい。

A.16番にスピーカターミナル穴加工
ターミナル・穴.png


B.15番にスピーカ取付け穴加工(鬼目ナットの取付け)
空気室前面板.png
スピーカリングの取り付を前提としているので、背面からのザクリはナシ。
スピーカ仕様より、位置決めを正確にして木工用ドリルで穴あけ後(鬼目ナットの胴体部と同径)、金槌で打ち込む。

C.空気室(14番(補強材)・15番・16番・17番・18番・19番)の接着
空域室中間.png
接着はハタガネを使い、僅かな補正を行いながら接着した。
位置決めについては補足説明1を参照

Head.png
空気室に補強材を容量が 1.9ℓ になるまで入れた。

左の写真を見て戴けると解ると思うが、下記の理由で空気室の内部に1本だけ左右の板にハリを付けた。
理由として、楽器ではないがバイオリンの魂柱のようなものである、バイオリンと同様にシンメトリーの位置は避けオフセットを持たした。バイオリンのように魂柱が動くのでは敵わないので勿論接着した。
そんなに板が盛大に振動して共鳴するわけではないので、これはお遊びである。
もう一つの理由は空気室内部に起きる定在波防止になると考えたからである。


後日、このハリが諸悪の根源であることが解り取り外した。
理由として、音道への障害物であり、情報量の減少、能率の低下、中域の押し出しも減少、を招くからである。
小生の勝手な思いつきでハリを付けたのは軽卒であった。


D.スロートユニット(5番・6番)の接着と鬼目ナット加工
スロート.png
一番上に見える4番の開口部と合わせこみながら行なう。
中段に見える板の四箇所に位置決め用の頭を切った銅釘(2mm)がある。

スロート鬼目ナット.png
空気室の最終調整とスロート内のチューニングの為、スロート上部に鬼目ナットを打ち、空気室にもバカ穴を開けた。

E.スロート一部と筐体一部(4番、1番の木口面)予備塗装
4番とスロート部(5番・6番)の塗装部分は事前に塗装をおこなっておく、後でスロート周りの塗装をしても綺麗にいかない。
TBS_throte.png
まず、スロートの外部に突出する部分に砥の粉をぬった。
右が砥の粉を塗ったもの、左が砥の粉をサンダーがけしたもの。

TBS_throte_paint.png
まずは恐る々々塗りに入った、左が1回塗り右が2回塗り。

F.筐体(2番・4番・7番・スロート部)の接着
throte_frontbord.png
先ず、2番に7番を正確に接着し、スロート部のガイドとする。(境界にハミデタ接着剤は綺麗に拭き取る、残った場合接合面に凹凸ができてしまう)

接着剤を万遍なく塗りこみスロート部(E)を差込む、4番の板を上から押し込み直角を確認後、ハタガネで押さえ込んだ。
このような場合、非常に助かるのはボンドが遅効性であること、接着直後なら修正が利くからである。
事後修正であるが、再度位置合わせをしてハタガネで圧着した、更にハタガネをもう1本使い側面を面一に合わせ込んだ。

後日談であるが、外部より9番の板を取除いた。
9番の板は位地合わせに使う程度として、接着してはいけない。

G.筐体(2番+スロート部・3番)の接着
直角出し.png
直角を出す為に、押したり・引いたり大変な苦労をする。
2番板に対して、3番・4番の直角と共に接合精度(木口と木口の面合わせ)も重要なポイントとなる。
それでも、直角と面一を出すのは中々素人には難しいものである。

H.8番・10番の接着
IMG_1097.png
スロートユニットと合わせ込みを行ないながら行なう。
8番・10番の木口面が面一になるように接着(10番板が信頼できる精度がある場合)。
接着直後の木口の処理は、綺麗に雑巾で拭き取り接着材がはみ出ないようにする。
木口の接着剤が、はみ出て固まった場合は木工やすりで削りとる。

F.同様に、外部より9番の板を取除いた。
9番の板は位地合わせに使う程度として、接着してはいけない。

I.筐体と側板の1番×2を接着
筐体1番.png
ここで箱の状態となるが、仮組みをして10番・11番の板がすんなり入り、且つガタがないかを確認したうえで接着する。(ここで失敗すると10番・11番がガタガタになるか、鉋掛けを強いられる)
今回は、一気に両脇の1番板を取り付けてしまった、これは板精度が非常に良かったので出来たがキワモノであった。

J.コーナー処理
コーナー処理1.png
コーナー処理.png
コーナー処理は音の流れと言うより筐体の補強がメインである。
三角材の隙間が出来る部分にはパテでコーキングした。パテは凝固時にちぢむので、2~3回塗り込む必要がある。
この処理は後悔しない為の心理的要素が大きく、オマジナイである。
無くても良いかも・・・

K.センターパネルユニット(H)の取付け
センターパネル.png
下穴を開けておいて、ネジ止め・ボンドで接合した。接着後は木ネジを取り外した。

L.空気室・スロート部・筐体の塗装
砥の粉.png
これ以上、重くなるのは敵わないのでここで塗装を始めてしまった。
塗装2.png
こんなになりました、相当な厚化粧・・・
失敗作??
水性ニスで使用方法の注意点:
下地処理はもとよりニスは、初回の塗った色が残るということである。一回目の塗がマダラなら、最後までその色が残ってしまう。
先ずは、薄く一面に均一に塗りこむことが必要である。小生の場合、一回目が濃すぎた為マダラ模様になってしも~た。 反省!!!
塗装の詳細に関しては、補足説明2を参照

不満は残るが、早く音を聴きたい欲望に駆られ、中途半端ではあるがここで塗装は終了してしも~た。
再塗装したいが、塗装に関しては限りない欲求があり再度失敗しそうな気がする。
塗装は、小生にとってのゴールは見えず、連戦連敗を重ねている!!  [雨] [雨] [雨]

M.13番・20番・21番(音道調整ガイド)の接着
音道調節ガイド.png
基本的には変わらないが、このユニット内に鉛インゴットが入るように少々の設計変更をした。具体的には中間にある20番の板を取った。
この中に、5kg(1本2.5kg×2本)のインゴットを入れた。一気に20%のウエイトアップである。

N.音道調整ガイド(M)+12番を筐体に接着
三角コーナー.png
筐体に鉛筆でマーキング後ボンドで接着した、左奥の三角材をここで入れた。

O.11番の蓋をビス止めで閉じた
裏板.png
蓋をする前に音道ユニット内に鉛インゴットを2本を入れて封じ込んだ。
今後の調整を考え、ネジ止めで終わり暫くは接着しない。

P.空気室とスロートの結合
スロート面には空気の漏れないように予めスロート面をヤスリで平らにした。
空気室を六角穴付きナットをLレンチで止めて終了。
締めすぎないように!!!
空気室は脱着可能としたのは、スロート内にもグラスウールの挿入が考えられ、音出し後に調整できる。

今回は、設計段階より簡単に組み上げ可能とした為、比較的短時間で終了できた。
特筆すべきことは、MAKIZOUクラフトさん の木工精度であろう。
素材の板は歪みも少なく高精度であったことで、苦労なく組み上げることが出来た。
重ねて御礼をしたい!

" 調整と試聴 " に関しては、次号で予定。


板取部位図最終.png


補足説明1:位置決めと直角の出し方

位置決め
側板と前面・上面・下面の位置合せは釘(真鍮釘又は銅釘使用)を活用する。 目的は、位置精度を高め、位置ずれからくるヤスリ掛け・鉋掛けを最小限に留めるためである。
以下、小生の先輩より教わったテクニックを列記する。

A.接合面に捨て釘の頭を10mmぐらい残して打ち込む。(釘は素材の硬い面に打つ)
B.2mmぐらいのところで頭を斜めにニッパでカットする。
C.仮の位置決めを行ない、面を合わせて押し込む。
D.ずれている場合は、やり直すか木槌で修正する。
E.ボンドを接着面の両面に塗る。C・D で決まった釘穴の位置に合わせ、軽く押し込む。
F.当て木をしてハタガネで押さえる、接着剤がはみ出るが濡れ雑巾で拭き取りながら行なう。
*接着剤のはみ出方は、ある意味で板と板との密着度のバロメータであり、殆んど接着剤が出なくなるまでハタガネのネジを 適度 に回す。(板面に傷を付けないように)
*接着剤のはみ出し除去は、接着時に完全な拭き取りをした方が良い。接着面の凹凸の元となるだけでなく、その部分の塗装落ちの原因となる。

直角出し
G.板の位置決めが決まったら、正確に90度が出ているのを確認のうえ、添木(薄い捨てベニヤ等)をして釘で軽く打ち込んでおく。
H.直角の確認をする。
接着直後、直交方向の2枚の板位置が合っていない場合、ハタガネで修正も可能。
I.最初の一枚目は、基準と成る直角であるので最心の注意が必要である。


補足説明2:下地処理と塗装

下地処理
A. 接着時に入念に濡れ雑巾でボンドを拭取り、水分が乾燥したとき板面を手で触っても凹凸が分らない程度に綺麗にする。ここで、サンダーを一度掛けるのも良い。
注意)ボンドの下処理は重要である。はみ出ると、その部分の塗装だけ変色する事がある。又、塗装が剥がれる場合もある。
B.木口の 合せ目の段差を、鉋・木工用ヤスリ等で平らにする、ここで傷を付けると後で残るので細心の注意が必要である。
C. 砥の粉で表面の凹凸を埋め、サンダーで平らにする。 砥の粉掛けは乾燥した後は収縮するので2度掛けをし、表面の凹凸が無くなるまで続ける。表面を鏡面とするのはプロの加工でないと難しい、サンダーの掛け方は面に均一に力が掛かるように行う、角部は要注意である。又、合板の硬さが違う所は削れ方が違うので注意が必要となる。

塗 装
D.塗装色と水の配合 一回目の塗装は塗料を水と少量混ぜ、先ずは板面を少し濡らしてその上に塗った。
水を少しなどと不適切な表現で大変申し訳ないが、カット&トライなのである。その時の気温・湿度等に依っても変わるからである。
E.2回以後の塗装
ハケ塗りを行ない乾燥を待つ。
塗装は、粉塵等を嫌うので室内で行なったが無臭であるので作業は楽であった。
二度目の塗装以降は徐々に光沢が得られ、光沢が出るまでこの作業を繰り返す。
F.最終塗装の前に軽くサンダー掛け
最終塗装を行なう。
G.最終工程として、表面の水研ぎ(紙やすり2000番程度)を行い完成である。
更なる工程として、コンパウンド賭けをするのも良い
文章で書くのは簡単だが、相当に難しい作業である。

注意)ハケの毛は抜け易いので塗装前に入念にしごき余計な毛を取除く、又今回は水性ニス用のハケを選んだ。

”言うは易し行なうは難し” であるが・・・

          それでも、日曜大工は楽し!!

加 工
MAKIZOクラフト
http://hb6.seikyou.ne.jp/home/makizou/


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