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FE88ES-R&スーパースワン [スーパースワン]

2009-03-01

スーパースワン、ユニット交換(FE108EΣ→FE88ES-R)
IMG_2069.gif
Fostex FE88ES-Rとの出会
秋葉原のあるオーディオショップで4年前ぐらいたったが、D-88スーパーフラミンゴ & FE88ES-Rを聞いて以来、頭の片隅から離れないものがあった。
音を手で掴めるような存在感と空間表現力 ・音密度の濃さ・力感 ・88mmφの振動板から出るちょっと信じられない低音、高域はそのものがツィターのように伸びている。一瞬にしてその音に魅了されてしまった。当時使用していたFE108EΣを全て上回ったと感じた。直ぐに購入を考え、箱も用意しなければ・・・とグズグズ考えているうちに、その店からは在庫はなくなった。当然である、あの音を聞けば誰でも??欲しくなる・・・。
しばらくすると小生の健忘症が現れFE88ES-Rのことは完全に忘れた、寂し~!!

スーパースワンとの相性
最近見つけた大山美樹音氏のホームページでは、FE88ES-Rの評価は、低域は10cmなみ、高域は8cmのフルレンジを上回り、フォステックスの最強フルレンジに値すると書かれている。小生の聞いた感じとほぼ同等の評価が書かれていた。又アダプターリングを取り付けることでスーパースワンにそのまま取り付け可能であることを知った。氏の推奨エンクロージャーはスーパースワンのニュアンスで書かれておられる。
大山氏の記述を読み、焼け棒杭に火がついてしもうた!何が何でもあの憧れのスピーカーとアダプターリングを入手したくヤフオクで監視していたところ、最近になって大枚を叩きやっとFE88ES-R・P88ES-Rを落札に至った。財布は瀕死の重症である、イデ~!!
ここでアダプターリング(P88ES-R)を同時購入したのは、リングを付けることでバックキャビティに導かれる音道(空間)の確保が十二分にできることと、バッフルの振動防止も見込めるためである。昔、自作バックロードを作った時、強度を持たせようと分厚いバッフルを採用したことがある。結果として、バックキャビティへの音道を確保できないがために、詰まった這い上がりの躍動感ない音になった苦い経験がある。

FE88ES-Rの仕様
FE108EΣに対してマグネット重量は約1.5倍あり、強力なマグネットと最適化したコーン紙の重量と剛性、バックロードにベストマッチングするユニットに設計されている。
このユニットはメカニカル2WAYで、フォステックス規格表内の周波数特性を見ると2kHz前後にクロスオーバーがある。

FE88ES-R 周波数特性
FE88ES-R周波数グラフ2.png
小生がFE88ES-Rの物理的に一番良いと思っているところは、小口径であること。これは点音源に近かずくことで、小生の考えるベストのユニットに近い。又、性能本位に設計され、8cmの既存製品の直径とはせずに、カット&トライで決められた88mmφであり非常に好感がもてる。実際は直径9cmのフルレンジで、スーパースワンを意識して?作られたユニットと考えられる。
コーン紙の面積からFE108EΣとFE88ES-Rの比較をすると、面積比では約0.73倍(3次元で計算したわけでなく、相当いい加減)である。これに対しMoはほぼ70%と面積比・重量ではほぼ等価になるので、単純に考え小面積の方が強度的に強いはずである。ということで、バックロードとして用いた場合、相対的にMoを増やし超強力な磁場内で、ボイスコイル(銅銀の合金)を強力にドライブしても、それに耐えうる形状・大きさである。素材に関しては、工夫を凝らし適当な内部損失を持たせたESコーン紙が使用されている。又、UDRタンジェンタルエッジと呼ばれる、見るからにダイナミックに動きそうなエッジ・・・と解ったかのように言ってみた~い。実際にはカット&トライでMoの最適値は決められたと思われるが・・・。 108系とFE88ES-Rの比較をする為、Mo・Qo・マグネット重量等の比較表を作った。

FE88ES-R・FE108S・FE108EΣ・FE108ESⅡ 比較表
スピーカ比較表.png

パラメータとして出ないのは、コーン紙の強度とか内部損失のバランスであろうか? 実際には測定できないものは沢山ある。要はスピーカ、アンプ、ケーブル、マイク、録音、全てが妥協の産物であり完璧なものはナイ、な~んて言ってしまえばオシマイヨ~!と言いつつセコセコとブログを書く。

ユニットの簡易エージング
このスピーカの高域特性から見ても暫くはエージングが必要であろう。 コンピュータのWave Generatorより信号を出し、ピンクノイズで30分程度のエージングをしてから取付けを行なった。しかしながらスーパースワンにユニットを付けた後も当分はエージング期間になるであろう。
IMG_2076.gif

アダプター&ユニットの取付け
今回は、鬼目ナットでの取り付けを断念した。
既存のスピーカでは、バッフルの後ろからの穴開けが出来ないこと。 前方から鬼目ナットの穴開けをした場合穴径が大きくなり過ぎる、又スピーカ穴とナット穴が接近しているため強度的に心配であった。 諸々の理由から今回は木ネジの方がベターと判断した。
ユニットを付けた後のルックスは『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくる『一つ目小僧』みたいな形相となった。

一つ目ドス
IMG_2105.png

試 聴
試聴(視聴)に入り、初めに感じたのは音圧的に上から下まで凹凸のない音である。FE108E∑の音に比べると高域は明らかに伸びているためキラキラ感がある。映像を見ながら、高域のショッキングな音も度々出るため108EΣを聴き慣れた小生には一寸うるさいぐらいである。初めての試聴ということもあって多少は這い上がりの感は否めないが、1週間程度で音は変わることを期待しよう。

3日目であるが、家に帰りスピーカを鳴らすのが嬉しくなってきた。親ばかのようであるが、音が成長するような錯覚を覚える。昨日聴こえなかった音も今日は分るのである。このままエージングが進めば、全体的にフラットで高域はツイーター並の密度の濃い予想通りの音となるだろう。

4日目になるとエージングも進み低域に関しては、108EΣよりも伸びがあり張りも感じる。何より凄いのが88mmφから出る空間表現力である。FE88ES-Rは小生が今まで使ったベストスピーカと感じるが、もう少し様子を見ることとする。

5日目になると、全般的な音の張出しを感じるようになった、エージングの余りの早さに、老朽化も早く進むのではないのかと危惧している。音に関しては大満足している。

測 定
今回の測定では、ピークホールドは行わず、100回の平均化したスペクトラムをブルーラインで表示した。 無音状態で50Hzと倍音の100Hzにピークがあるのは、AC電源の外乱磁場の影響と考えている。 スペクトラムアナライザー測定では、dbはFE108EΣに比較して低いものの、FE88ES-Rの方がフラットであり聴感と一致する。
以前から危惧はしていたが、この周波数測定で新たにマイク特性の弱点が明らかになった。
先ず8kHzのディップは、軸上1mの測定ではFE108E∑&FE88ES-R双方とも落ち込んでおり、部屋の影響とは考えにくい、又ユニットの特性を見ても軸上では落ち込みはない。これは明らかにマイクの特性と思われる。その他13kHz以上はどのスペクトルを見ても無信号状態と同じレベルであり、これも明らかに反応していない。以上のことから7kHz以上の周波数に対しては、このマイクは信頼性がないとみた。

無音状態 試聴位置
88無音LisningPositionVol100.gif

ホワイトノイズ試聴位置
88whiteLisningPositionVol10.gif

ホワイトノイズ軸場1右
88WhiteRightVol100%3.1.gif

ホワイトノイズ軸場1m左
88WhiteLeftVol100%3.1.gif

参考WEB スピーカ追求道 大山美樹音氏
http://www.diyloudspeakers.jp/

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コメント 2

song4u

長岡先生とフォスターは一心同体みたいなところがありましたよね。
どちらかと言うと、長岡先生の持論をフォスターが実現して来た・・・
ような印象をぼくは持っております。
マグネットを大幅に強化したFEシリーズも、そのひとつだったのでは
ないでしょうか。
ほとんどバックロードホーン専用SP、って感じが無きにしも非ず?^^
by song4u (2012-05-04 00:15) 

Sasha

song4u様
確かにフォスターと長岡先生は、一心同体でタッグを組んでバックロード・共鳴管スピーカーを作っていたように感じました。
フォスターのQoを非常に小さく、高能率のユニットを次々に作り世に問うやり方は、長岡先生の鋭い切れのある明快な文筆の助けを得て、大勢の方がオーディオにノメリ込んでいった起爆剤のように思います。
昨今の国内の物造りは、何か寂しい物を感じるのも事実ですが、世界的に見るとアメリカ・イギリス・台湾・中国 設計のユニットが次々に生まれこの世界で衰退したのは日本だけで時代の変遷を感じます。
 何か寂しい話になってしまいました反省!!

by Sasha (2012-05-04 09:03) 

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