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Acoustic transmission line speaker Ver.2の設計 [ATL-Speaker]

2012/05/18

ATL-Speaker Ver.2のシミュレーション&設計

ATLS-Ver5.png
Fig.1


シミュレーション
今回は、 "ATL-Speaker Ver.2" のシミュレーションを行った。
Ver.1と似たり寄ったりであるが、如何に自然な音が出るかを追求してみたい。 
Ver.1 のシミュレーションでは低域が30Hzまで伸びており、100Hz以下の周波数帯域に弛を感じるところがあった。 今回は、音圧レベルで低域を50Hzまでフラットな設計をしたい。
Ver.1では元気が良くDVD・BD の鑑賞には最適であるが、音楽鑑賞となるとイマイチであるので共鳴管の長さを40cm切詰めてL=130cm、r1=9.5cm、r2=5.0cmとした。
その結果、比較的良いと思われる低域のシミュレーション特性を得た。又、手持の2,3種類のスピーカーともマッチングが良さそうである。
その他、形状から見てもバスレフに近い動作も考えられ、そのシミュレーション(2)も行った。

今回も ”自作スピーカー設計プログラム” のお世話になった。
シミュレーションを実施したのは、Alpair7V3(Mark Audio)、W4-927SE(TANG BAND)、W4-930SC(TANG BAND)、W4-1320SJ(TANG BAND) の4ユニットである。


(1) テーパー付共鳴管としてのシミュレーション結果
因に、130cmで共鳴した場合、λ / 4 は65Hzぐらい。
L=130cm r1=9.5cm r2=5.0cmとした場合の結果、50Hzまで伸びていてシミュレーション上では50~100Hzは略フラットとなった。
W4-930SGのデータが無かったので比較的条件の近いW4-930SCで行った。
このプログラムでの吸音材の量は、普通での結果を表示している。

AlpairV3-927se.png
AlpairV3                w4-927se


930sc-1320sj.png
w4-930sc               w4-1320sj



(2) バスレフ動作した場合のシミュレーション結果
A管を空気室、B管をバスレフのダクトと見立て、空域室21ℓ、L=35cm、ダクトの平均半径r=5.25cmとて入力してみた。手計算では、65hzであるのでシミュレーションと10hz前後の誤差がある。

bas-A3-927se.png
AlpairV3                w4-927se


bas-930sc-1320sj.png
w4-930sc               w4-1320sj




ATL-Speaker Ver.2 の設計
設計方法は、Ver,1と同じくシミュレーションで求めた、L=130cm、r1=9.5cm、r2=5.0cm からエクスポネンシャルカーブを書き、それに近い断面積からFig.1を書いた。 又、折返し点のAB ( d ) は、5mmほど計算値より大きくとった。


Fitting of numeric data
cross-section.png



ATL-speaker Ver.2 cross section graph
cross-section-graph2.png



ATL-Speaker Ver.2 の仕様
板 材  シナアピトン(15mm厚)
サイズ  幅17.0cm(底板:29.0cm)
      奥行き25cm(底板:33cm)
      高さ:100cm 
内 寸  幅14.0cm
      a=19cm, b=16.0cm, c= 8.3cm, d= 8.0cm,
      e=6.8cm, f=g=5.6

目標最低域 50Hzまでフラット
使用可能なスピーカーユニット
       W4-930SG, Alpair7v3, W4-1320SJ, W4-927SE, etc.


雑 感
Ver.1の経験から、40cm短く少し太い共鳴管としたのは、低域を程々に設定することで弛みを無くし、且つ、ポートをスピーカーから離すことで干渉防止も狙っている。

バスレフのシミュレーションでは、50Hzまで略フラットで共鳴管特有の倍音に依る影響はない。
 それでは何故、純粋なバスレフ箱ではなく ATL?
現在使用中のVer.1を聴いている限り、背圧の影響を受け難くい構造で微小信号の感度が良く、ダイナミックレンジも大きく、低域の伸びも素晴らしい。
ATL 構造は、共鳴管とバスレフを合体させたスピーカーと感じられ、比較的良いとこ取りをしたスピーカーに感じられるからである。

   Ver.2の製作に関しては、思案中・・・



参考Blog
Acoustic transmission line(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Acoustic_transmission_line

自作スピーカー設計プログラム
http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/index.htm




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