SSブログ

6BX6&6BM8 Ver.4 [真空管アンプ]

2008-11-01
6BX6 & 6BM8 Ver.4
IMG_66601.gif

6BM8に戻る
6BM8から抜け出ることが出来ない小生、前回の6BQ5アンプの失敗で、また6BM8に戻ってしもうた。まるで6BM8の周りをグルグル回っている子犬のようなものである。これでは技術的に後退かもしれない、と考えながらも6BM8の超三結に魅了されてしまった小生には如何ともし難い。今でも小生は、超三結が何であるか分らない・・・。
IMG_66641.gif


構 想

1.回路は、元祖超三結アンプの上條氏設計の6EJ7を使った超三結アンプ(全回路真空管でレトロ調)を参考とし、乗数は宇多氏の6BM8&6AK5を戴き初段保護回路も組み込んだアンプとする。結果として両氏の合体作のようなものとする。

2.主要部品は、解体した6BQ5の電源トランス、コンデンサーも以前使用していた1800μFを1個、出力トランス×4個、6BM8×2本、高額部品はほとんど以前からの再生品で賄ったアンプとする。

3.今回も板金は、図面を書き外部で作って貰う、一番の高額部品はシャーシとなる。

4.AC系のケーブルはシャーシの左側に通す、又信号系はシャーシ内の右側面に通す。

5.微小信号(入力信号系)は同軸ケーブルを使う。

6.アースは1点アースとする。

7.真空管の差替えを前提に基準電圧のテストピンは、シャーシ上部に出しVER.2よりの基本設計を踏襲する。又、5KΩの可変抵抗の操作も上部からドライバーなしで行える様に変更する。

IMG_66621.gif

トラブル
部品の実装・ハンダ付け・電源の確認・回路のチェック等、お決まりの作業を終えた後、音だしを始めると30分~1時間でブ~ンと言うノイズが左チャンネルに出た、素人の解析ではほとんど意味不明であった。
宇多氏のスレを見てデバッグを試みたが、球の差し替え、コンデンサーの変更、ダイオードの変更、可変抵抗の変更、いろいろ変えてみたが変化は無かった。
このブ~ンは、入力信号系でケーブルを抜き差した時の音と同じであることに気づき、ハンダ付けを全部やり直すつもりで、入力ケーブルを追った。その結果やっとのこと真空管ソケットのハンダ不良が見つかった。 発見できなかった原因として、ハンダ付け後収縮チューブで覆ったため、目視とテスターではハンダ不良は確認できなかった。起動時収縮チューブは冷えており、その圧力で導通を確保しているが真空管の熱で収縮チューブが柔らかくなると短絡するので、規則的に起こる現象に見え部品の異常と勘違いしてしまった。単なるお粗末なハンダ付けが、最後まで尾を引いた悪しき例である。
IMG_66751.png

6BX6の選択
今回、前段の球は6BX6(松下製)・6BX6(TELAM(ポーランド製))・6EJ7(RCA)・6EH7(松下)と色々試してみた。 特性的には少し違う球でも使用可能で、最適な乗数は得られなくとも音を出すことは出来る。各球を2週間程度試聴し小生なりに判断した結果、現時点では松下製の6BX6が音場感・定位・高域の特性どれも1番であった。基準電圧を50V~70V程度まで変化させテストをしたが前段の真空管交換による変化が最も大きかった。尚、当初、基準電圧は66Vとしが後日55Vの方が良いことが分かり変更した。
IMG_66971.gif
左より,6BX6(松下),6BX6(TERAM),6EJ7(RCA),6EH7(松下)

6BM8の選択
6BM8の再テストを小生なりに勝手に行った、1種類を1週間程度聴きながら、6BX6(松下)と写真の6種類の6BM8との相性をテストしてみた。 今回のテストの結果としては、最近作られた6BM8の方が真空も良いのか高効率で出力も大きかった。又、球の太さ(直径)が音にも影響するようで概して,太い方が小生の好みである。
小生が最終的にチョイスしたのは、electro-harmonix(e.h.)の6BM8であった。他の球に比べてパワーもありダイナミックな音であった。低域も充分に伸びており音場も豊かに再現してみせる。欠点とは思っていないが、華やかな音が出る反面僅かではあるが着色を感じる時がある。DVD鑑賞にはこれがよく映像と共に空間表現力・臨場感につながるところがある。
最近までSvetlanaを使用していたが、音色はe.h.と似ているところがある。音場感・華やかさではe.h.が一枚上手であるが、安定感重視ではSvetlanaを取る方も多いと思われる。TRONALに関しては、多少硬いところがあり面白さでは小生の好みではない。Internationalは、中古管で評価は省いた。PHILIPS,松下に関しては現在作られていない真空管で、パワーも少し落ち、レンジも狭いが当時真面目に作られた球であることを感じる。又、古い管でも出力段に関しては、他のアンプで全く評価出来なかった真空管でも十分使えることが分かった。 現行の真空管として、6BX6(松下)、6BM8(electro-harmonix)を使用している。
IMG_71211.png
左より,6BM8(electro-harmonix),6BM8(Svetlana),6BM8(TRONAL), 6BM8(PHILIPS),6BM8(International),6BM8(松下)

視 聴
真空管アンプでは、最終調整を終わった後のポテンシャルの確認と共に、自分の好みの音に追いこむことが楽しい。先ず、小生のVer.3(6AK5 & 6BM8)とVer.4(6BX6 & 6BM8)の比較をすると、Ver.4は高域の抜けが非常によく、又音場感も一枚上手である。しかしながら高域が延びたせいか、低域の重厚さが僅かに弱く感じる。
現在の小生のシステムは、オーディオとはほど遠い 試聴?視聴?分からないが映画を見るシステムに化けている。液晶TV脇に長岡先生設計のスーパースワン(FE108EΣ使用)を置き、超三結アンプを繋ぎ込んである。
よく見る映像は、M:i-2(ミッション インポッスィブル2)である、序盤に出てくるフラメンコのタップ・ギター・拍手の音が臨場感豊かに出てきて最高である。他には、画像はいまいちだが、音が良いM I-5(TVドラマ)がお薦め、録画の中に生活音が多く含まれ、画像と共に臨場感溢れる音が味わえる。又、どの様なコンテンツでも階段を歩く音・ホールの響き・鳥のさえずり等、生活音・自然音が豊かに含まれ三次元的に聞こえれば、小生は至福の時を迎えることができる。 定量的でない評価で大変申し訳ないが、最終的には人間の感覚がものを言うこの世界である。いい加減でも自分が良ければいいのではないか。物理特性では石のアンプに全く敵わない真空管なのに、音だしでは真空管が良く感じるのは何故か、昔、真空管アンプの特性とトランジスタアンプの特性比較表をよく見たが、圧倒的にトランジスタアンプの性能が上であった。それを鵜呑みにした小生が馬鹿だったのである、余談はこのへんで・・・。
大変苦労したが、既存のアンプの中ではVer.4が一番好みの音に仕上がり、小生のメインアンプとなっている。これからも良さそうな同種の真空管があればドシドシ試してみたい。
反省点として何時も思うことではあるが、筐体はもう少しコンパクトな設計としたい。


初心者の真空管アンプ作成の手順

1.どの様な回路で制作するかの調査・決定,例えばシングル・超三結の6BM8を使ったアンプなど。

2.回路図より部品を拾い、部品表の作製

3.電気部品の購入(ネット販売或いは秋葉原等)

4.電気部品が全部揃ったところで、板金の選択(購入部品より大きさを推定し、大きさを決める)、板金図面を書き外部発注の手もあるが高額となる。
 *ここでは、ビス、ゴム脚等を忘れずに購入。

5.板金加工(自分で加工する時は、ドリル・パンチ、ヤスリ、ドイバー等が必要)又は図面を書き加工依頼する。

6.仮組をする、塗装をする場合はここで行う。

7.電気配線(半田ゴテ、ハンダ、調整用として最低でもテスターは必要)
 a.始めに電源から組み、B電源の電圧確認をする。
 b.ヒーター、基盤、真空管の脚等のハンダ付け。

8.結線の再チェック

9.音だし、テスト


注 意

1.高圧電源での感電、良くある感電で電源を切った後もコンデンサーに残った電気で感電するケースが多いので要注意です、抵抗等で電圧を下げて作業を行ってください。

2.ハンダ時の火傷・真空管に触れての火傷、熱は見えませんので注意してください。

3.電解コンデンサーは+−の極があるので良く確認をして配線してください、逆に配線すると破裂する場合もあります。

4.全ては自己責任で作業してください。


6BX6&6BM8回路図
6BM8-6BX6-55v.png
回路図作成には、水魚堂さんの回路図エディタ(Free CAD)を使わせて戴きました。
http://www.suigyodo.com/online/schsoft.htm


部品表
パーツリスト1.gif


参考WEB 超3極管接続Ver.1 6BM8 シングル ステレオパワーアンプ 上條信一氏
http://www.ne.jp/asahi/evo/amp/6bm8/report.htm

参考WEB 6BM8超三極管接続アンプの製作 宇多 弘氏
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ehu_amp/6bm8amp.htm

参考図書 情熱の真空管アンプ 木村 哲 著
http://www.op316.com/tubes/tubes.htm

にほんブログ村 PC家電ブログ ピュアオーディオへにほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へ

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

6AK5&6BM8 Ver.36U8A&6AB4&6BQ5 Ver.5 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。