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バックロード+バスレフポートのチューニング [トールボーイスワン]

2011/8/26

バックロード+バスレフポートのチューニング
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バックロード+塩ビ管(バスレフポート)の最終形

前回のテストでは、遊びで適当な長さの塩ビ管(内径φ7.5cm)を付けて聞いたが、結果が良好だったのでもう少し詰めた実験をした。
あるBlogにバックロードホーンは、 ホーン+共鳴管+バスレフが混じりあった動作をするシステムであると書かれたものもある。
今回は、2本出しとしたポートの組合せも含め聴感上一番感触の良い音を探してみた。


空気室容量の再々々々々調整
空気室の容量でも低域の出方は大きく変るので再検討してみた。
設計上では2.3ℓ の容量設計であるが、現実には補強・定在波防止用のハリが入っているので2.23ℓ 弱となっている。
もう少し小さく2.0 ℓ 弱とし低域を稼ぎたい。
具体的には、空気室(ペンタゴンヘッド)に三角柱の杉材を詰め込んで縮小してみた。
空気室内部を開けただけで音の傾向が変るので、接着して乾燥を待ちカット&トライを行うのは結構な時間が必要である。


ポンチ絵
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スワン系の空気室容量と、音の傾向
塩ビ管傾向.png



バスレフポートを差換えての実験
前回は、バスクロードホーンの開口部を改造し面積を1/4にし、開口部前の前室に吸音材を詰め高域の煩さを改善させた。
塩ビ管は、10cm・20cm・30cm・65cm・継手を用意してその組合せで実験した。

① 先ずは欲張って 70cm(65cm+5cm)の組合せでテストした、気持ち悪い程の低音も出るが、50hz付近のピークでエネルギーを取られてしまい、80hz付近のディップも大きくなる。
又、70cm のバックロードホーン+バスレフポートでは音の遅れが聴感上でも分かり、音楽観賞用としては論外と思われる。
ここで一つ解ったことは、ポートの容量(空気の量)が増えることで、ポートの共振周波数を出すまでの立ち上りが遅れるようである。
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② エルボーの塩ビ管に5cm(エルボーに沈み込み5cm)の直管を付けるとバックロードに近い音となるが、ムートンを刈り取られた羊のようなプアーな音、(もっと)^2 低域を欲張りたくなる。
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③ それではホルムヘルツ(バスレフ)の共鳴効果が比較的少なく、ある程度低域を稼げるバスレフダクト長の組合せを探してみたい。又、音楽を聴いたとき、取って付けたようなバスレフ音にならない味付けをしたい。
     何かメチャクチャなこと言てる????

④ 最後のトッピングとして・・・φ7.5cm×35cmぐらいの塩ビ管になると、管自体の振動が気になるので塩ビ管の上に鉛を置いた、開口部も縮小されるが、効果として確りした低音が出るようになった。


塩ビ管の長さを変えたときの音の傾向
塩ビ管長.png



測定&結果
当初、一方を10cm+エルボーの塩ビ管とし、他方を30cm+エルボーの塩ビ管の組合せがベストと考えたが、暫くすると低域の出方に満足出来なくなった。
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最終的に冒頭の写真の組合せで、塩ビ管(30cm+継手5cm)×2+鉛とした。
この時の音は、DVD & BD 等 の映画鑑賞では、部屋を満たすような低域がありBD・DVD映画の低域は相当に誇張されているように感じる。
高域は澄んでいて3D効果も以前よりある、部屋を満たすような存在感もあり映画鑑賞に持って来いである。


F.F.T.(Fast Fourier Transform)
今回の音響測定では、スマートフォンへF.F.T.*(500円)をダウンロードして使用した。
  コンピュータ上で表示できないのが残念であるが・・・
    信頼性の問題があるから、もし出来てもアップしないほうが正解かも
      勿論、最終のチューニングは、小生の愚耳と愚感性で決めた。

*F.F.T.(Fast Fourier Transform) は、スイープ・ピンクンノイズ等の測定結果は優等生である。 然しながら、どうしても立ち上りの時間差(計算時間+マイクのレスポンス+電気の立ち上がり等)がある。
又、原音の周波数とは違うと考えられるのは、F.F.T. の特性上 永遠に繰返すものは問題ないが、逐次変っていく音楽信号等は、原音と若干の周波数の狂いを生じるという弱点もある。
我々が聞く音楽・自然界の音 等は、その境界点の集まりで音叉の周波数ではない。
F.F.T.を否定する訳ではないが、小生は人間の感性が基本で測定器(F.F.T.)は当たりを付ける道具と考えている。


視 聴
音が緻密になった。
これはバックロードの開口部より出ていた中音域~高音域が減ったためと思われる。
純粋なバックロードと比べると、音の鮮度が上がり定位がよく存在感がある。
他方、繊細で表現力に優れるが、エネルギシュな表現力は僅かに後退した。
バックロードでは、ホーンから低域+高中域の混濁音が出ているので、このような結果となったのであろう。

現実にポートを付けてからは、緻密な音に感じられクラッシックを聴く時間が増えた。
SchubertのArpeggione Sonata (CD)を良く聴くが、三重奏の弦の響きが最高で筐体が共鳴して、弦楽器が浮き立ったように聞こえる。
又、BD & DVD等の映画・音楽鑑賞では、低域が伸びることで奏者・楽器・アクター等の存在感が増し、何を視ても以前とは違う映像&音のコラボレーショを楽しめた。

真空管アンプの球が加熱される課程で、以前は感じなかった時系列的変化も分かるようになった。
アンプの立上げ時は、ヴォーカル・TVの音声など高域の煩さを感じるが暫くすると感じなくなる。
人間がその音に感化されてしまうのか? 音が変化しているのか? ・・・

総じて、クラッシックを聞いている限りマトマリの良い優等生的な音である。
初めてバックロード+バスレフポートを聞いた人は、楽器等の定位の良さに一寸びっくりするかも・・・
頭の周りを飛び交い、楽器・ヴォーカル等の存在感を強く感じる様なCD・DVD・BD もある。
これはスーパースワン等の人形型スピーカの利点で、ピンポイントでの存在感は他のスピーカでは味わえないかも知れない。 因みに、8cmと10cmでも定位感は違う。

不満を書くとスーパースワンでも同じだが、頭の位置を少しでも変えると定位がずれる、部屋の問題かも知れないがガッンとくる低音が出ない。
パワーアンプ等の機器、CD・DVD・BD等 のソースにも超敏感である・・・

音質を追求すれば定位が劣化し、定位を追求すれば音質が劣化する。
    ナニカ不確定性原理みたいに・・・

ソース
Chris Botti in Boston(BD)、HITMAN UNRATED(BD)、SHOOTER(BD)、AVATAR(BD) 、iRobot(DVD&HD)、007Casino Royale(HD)、Hannibal(HD)、Arpeggione Sonata / Trios Arpeggione Sonata / Trios Schubert, Les Musiciens(CD)等


参考Blog
http://waveofsound.air-nifty.com/blog/2004/09/_0_.html

共鳴管・バックロードホーンを扱う上で、大変参考となるBlog(Wave of sound著者)があったので紹介します。
概略は、共鳴管が気柱共鳴した時の開口端の補正長の考察を行ない、波長と共鳴管の半径の関係式を導くが、実験誤差から細い管では粘性流の効果が大きくなるとの結論を見出している。又、周波数にもよるが、管の表面上数ミリ程度から振動が伝わる等の表面の音の伝達を扱った数少ないBlogである。このことから察するに板の表面処理でも音は変ると思われる。
以前からモヤモヤした、小生の疑問の解がそこにあった。


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