ATL-Ver5&W4-930SGの再々調整 [ATL-Speaker]
2015/10/20
ATL-Ver5&W4-930SGの再々調整
最終的に、更に20cm共鳴管(明るい緑部)を伸ばしたが背面はゴチャゴチャとなった。
ショートホーンでスタートした共鳴管であったが、最終的には40cm伸ばす事となった。
人間の欲とは、終わりのないものである・・・・
一時は満足していたVer.5であるが、若干の低域不足を感じで共鳴管を延長してみる事とした。
シミュレーションでは、共鳴管を20cm延長し開口部50c㎡で比較的良い値を得ていた。
ATL-Ver5&W4-930SGの実測・調整
接着前に、若干パラメーターを振ってみて実測してみた。
開口部28c㎡ 開口部42c㎡
開口部50c㎡ 開口部56c㎡
試聴とFFTの結果から見て開口部を50c㎡で行くこととした。角度依存性
次に、全てのデータが右方上がりであるが、聴感上ではあまり感じない。
原因追求と言うより、角度の依存性を見るため再度FFT測定した。水平面上1mの軸から15度と30度で測定してみた。
開口部49c㎡ 15deg. 開口部49c㎡ 30deg.
小生の試聴位置は、25度であるので可聴範囲内では粗フラットな状態で聞いていると思われる。
細かい事を言うと、ピーク(63Hz、300Hz)、にディップ(100Hz、500Hz)付近が見られるが、共鳴管の特性でありこれ以上は勘弁して貰いたい。
試聴位置では、63~20kHzで±5%以内に入っており、これで善とした。
ATL Ver.5の特徴
(1)本来共鳴管は、コーン紙に掛かる背圧の影響が少ないため、中高域は平面バッフルに近い特性を示す。
反面、共鳴管の低域再生能力が弱いため、バックロードのような強力なロードを掛けることが出来ない。 それを補うために、エンクロージャーをエクシポネンシャルで絞り込む手法を取った。
(2)共鳴管の折り曲げ回数は1回とした。
1/4λ共鳴を得るためには、折り曲げ回数は1回が良い。経験談であるがストレートホーンよりも1回折り曲げの方が低域が明快にでる。
それ以上の折り曲げを行うときは、空気室のあるバックロードを選択すべきである。
(3)ネット上で見つけた共鳴管の定在波シミュレーションデータから推測し、エンクロージャーの平行面をなくすことで、共鳴管内の定在波の影響を極力防ぐ構造とした。
結果として、共鳴管・バックロード等で出るキンキン音は殆ど削減できた。
(4)Ver.5では、更に数箇所に孔を開けたため振動板の自由度が更に増している。
この中高域の音は、ユニット単体をエンクロージャーなしの裸で聴いた音(≒平面バッフル)に近いと考えて頂ければ良い。
この孔は低域ピークの軽減にも寄与するが、孔と開口部からの音漏れなどで僅かな弊害も出てくる。
(5)当初ツイーター付きも考えたが、Ver.5+W4-930SGでは立ち上がりの良い高域が得られた。又ツイーターを付加すると全体的に音が細くなった事もあり、必要なしと判断した。
試 聴
共鳴管を更に20cm延長したことで、聴感上では10Hzほど低域が伸びた感じで音楽再生にはバランスの取れた音となった。
その結果、アコースティク楽器の響きが大きく変わった。
ギター・ヴィオリン等は、指使いまでも分かるような表現力があり微小入力にも強いため小音量でも情報量を確保でき、臨場感豊かな音が空間から飛び出てくる。
ジャズでは、Milt Jackson(VBP)、Paul Desmond、Dave Brubeck等を試聴したが・・・
最近のデジタルリマスターものは、ジャストフォーカスした輪郭鮮明な写真を見るような音像となり、当時の古き良さ?当時の臭い等が感じられず本来持っている泥臭さが欠落して聴こえる。
次に、最近録音された女性ヴォーカルを聴いてみた。情報量も非常に多くダイナミックレンジも充分あり音質は非常に良い。
ATLシステムでは、ソースの良し悪しをハッキリ付けるので酷いものは全く聴くに耐えないものとなる。
このように中域から高域にかけての表現力は、コーン紙に掛かる背圧の影響が非常に少ないための長所で、他のシステムと一線を引き、ダイレクトな音を味わうことができる。
Ver.5+W4-930SGは、今まで造ったフルレンジ スピーカー中ではベストであると断言できる。
この様なことを書いても明日は又違うことを言っているかも???
お馬鹿爺々の寝言を最後まで読んでもらって ”ありがとう" !!!
参考ホームページ
ATLに類似したスピーカー
Albedo Audio
http://www.albedoaudio.com/inglese/home.html
Elvins Diamond speakers
http://www.elvins.livepages1.com/loudspeaker.htm