FE103En-Sの磁束の検討 [スーパースワン]
2010-06-07
FE103En-Sのマグネット(磁束)の検討当初、マグネットは充分に磁場解析されたものが使われていると思っていたが、キャンセル(補助)マグネットを付けると音が良くなる?(強力になった)とのBlog上に記事を見つけたので、プチ検討をしてみた。
キャンセルマグネットを付けることで、音が変わると言う事は、トッププレート&バックプレートは磁気飽和していない言うことで、キャンセルマグネットの効果はあると想定した。
ここでは、鉄板を使用して一部分の磁気抵抗を減らす方法とネオジウム磁石を使った方法を考えてみた。
1. FE103En-Sの磁束の検討
①マグネット
②バックプレート
③ポールピース
④トッププレート
FE103En-Sの磁気回路の断面を推察する Fig.1 の様になっていると思われる。
寸法のないポンチ絵では、ヨークの厚み・長さが分らないので 何処が磁気的にキツイのか分らないが、実験でやってみるしかない。
人間有限要素法ダ!!
馬鹿じゃないの、頭 イテ~!!
磁力線は、ヨークを伝わってNからSへ ①→②→③→④と一周する。 感覚的にポールピースが充分に太ければ磁気飽和し易いところは、②と④である。
④は完全に分解することは不可能(壊れる)なので、②に鉄板を付けた場合と、②に補強マグネットを使用した方法を検討した。
2.鉄板を使用した場合
ここで鉄板を用いた補助ヨークで磁束の通りを良くできるのでは??
単にφ90×5mmの鉄板を背面に接着剤ナシで吸着するだけである・・・
目的は、補助ヨーク(ブルー部分)をつけることで③④間のギャップ(ここは磁束がジャンプする)の磁束増を狙った、そんなに上手く行くものか分らないが・・・
素材は,純鉄を使用するのが良いが遊びであるので成分の解らない鉄を予定した。
3.ポールピースと同径の磁石を付けた場合
鉄板で効果がない場合は、マグネットのお出ましである。
Fig.3のようにポールピースと同径ぐらいのマグネットで仮定してみた。この場合、N から出た磁束は S' に入るまで空気中大きく迂回しなくてはならなく磁束の経路は長い、これだと、S' に入るまで磁気抵抗の大きい空気中を暫く走るので、ギャップに掛かる磁束増はあまり期待できそうもない・・・
4.φ5cm径の磁石を付けた場合
程よい按配でNからS’ に向かっては比較的短いルートで入り込む。又、N N’ 間の磁束も反発してポールピースと空中を通りSに入る。
N S' 間の磁気抵抗を減らそうと考えた場合、このぐらいの直径のマグネットが良いのではないか。
最適値を見つけるのには、有限要素法等で行なえばよいが、Free Softではメッシュの制限もあり有効ではない、又有限要素法のソフトは馬鹿高いので購入は断念したと言いたいが、ソフトを買っても直ぐには使えない・・・
このマグネット径は、あくまでヤマカン・出たとこ勝負である。
良くキャンセルマグネットを付ける時、最初は斥力であるが近ずけると引力に変わると書かれている。
最初はNとN' 間で斥力であるが、距離が近ずくにつれ磁束は N’ 極からポールピースを通過しS極に向かう力が強くなる為、引力に変わると考えられる。キャンセルマグネットの口径に依ってもまた傾向は変わると思われる。
5. 4.のマグネットに補助ヨークを上から付けた場合
ここまで複雑な物は、お金が掛かり時間も掛かるので作るつもりはない。 2.で使用した鉄ヨーク(ブルー部)を、ネオジウム磁石の上に乗っけて実験も可能。
理想的に見えるが、あくまで理想である! これはお絵書き??
小生の場合、複雑怪奇な物は良い結果を得たことがない。
予 測
このBlogを書きながら、鉄板の効果は希薄ではと考えるようになった。
φ5cmぐらいのマグネットが、一番効果を期待できるが。実際音を聴いて見なければ全く予測不能である!!
無視した項目
*重量増加 → ユニット単体の質量増加の為、コーン紙が動いたときの作用反作用の効果は出ると思われる。又、ユニットを支える、フレームの振動も自ずと変わってくる。
*空気室の減少 ≒0.03ℓ なるが全て無視して進めてみよう。
*本来大雑把に磁束をFig上に書けば良かったが、今回は省略した ゴメン!!
*キャンセルマグネットと世間では言われているが、この場合NからS’に磁束を大きく外側に出しているからキャンセルマグネットとは言えない。
この実験の効能は近々のBlogでアップ予定・・・ それでは!
参考Blog
私の雑記帳
http://velvia.cscblog.jp/
Sashaさん、こちらでは初めまして。
先日はコメントをありがとうございました。
いつも緻密な解析をされていて、すごいですね!
私のいい加減さを思い知らされます。(汗)
さて、反発するマグネット同士を近付けると最後は吸着する、
と言う現象についてですが、これについて実験をした事があります。
約10mm厚の鉄製の四角い缶にマグネットを貼り付け、
反対側に同じマグネットを反発方向で近付けていくと、
スピーカーユニットと同様の現象が起こります。
缶ですので一方のマグネットをフタに貼り付けておくと、
磁石同士が最後に吸着するのか、最後まで反発するのかが
フタが取れるかどうかで分かるんですが、
答えは「最後まで反発が残る」でした。
ですので、磁石同士が反発する力よりも、鉄板(バックプレート)に
一方の磁石が吸着する力が勝るためと考えられます。
反発する磁力が、最後に吸着に変わる訳ではないようです。
ご参考までに。
では、結果を楽しみにしております。頑張って下さい♪
by ベルビア (2010-06-07 19:44)
ベルビアさん
久しぶりにBlog upしました。
さぼって居てすいません。
早速、実験結果を戴きありがとうございます。
ベルビアさんの実験は、同じ径のマグネットですか、或は径が極端に違うマグネットですか?
それと実験の位置関係はどうでしたか?
近いうちに、ネオジウムを用いた実験をupしますので、また遊びに来てください。
Good bye see you soon!
by Sasha (2010-06-07 20:00)
Sashaさん、こんばんは。
マグネットの件ですが、全く同じ物で、マグネット間の距離が約10mmです。
ネオジウムですか、面白そうですね。楽しみです。
by ベルビア (2010-06-07 22:10)