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FE103En-S&スーパースワンの試聴 [スーパースワン]

2010-04-13
FE103En-S&スーパースワンの試聴
FE103En-Sスワン.png
まだ、FE103En-Sが小生のところに来て2週間であるので、エージング・箱のマッチング・アンプ等のマッチングと判らないことが多いが、大雑把な評価をしてみたい。


FE103En-Sの仕様

FE103En-S 周波数特性
FE103En-S周波数特性.png
このユニットの周波数特性はfo~30KHzまで伸びており他になく素晴らしいものである。

先ずは、FE103En-Sを追加した仕様の比較表を作った。

FE88ES-R・FE108S・FE108ESⅡ・FE108EΣ・FE103En-S比較表
FE103En-S比較.png

(1) Qo & Mo
比較表を見ると Qoは0.2と今までの10cmユニットと比較して最強である。
ESコーン紙を使用したことで、Moを2.5gまで軽量化しても強度を確保出来たので、Qoを0.2まで持っていけたのであろう。
多分一味違うダンピングが効いた低音を聴かせてくれるであろう。 実効振動半径は、r=4.0cmで、これまでのフォステックの10cmユニットを継承している。

(2)マグネット
これまでの10cmユニットと比較して磁気回路は超強力とは言えないが・・・・・
磁気回路と言っても千差万別で、マグネットが大きいから良いわけでもない。
ギャップ間の磁束が強力でストロークを稼げれば良いわけで、その辺は開発者が有限要素法等で確認しておられると思うので、適正な磁束の物が付けられていると思う。
説明文では、マグネット内周部には銅リングを配置して~ と書いてある。 FE103En-Sの中央からの断面図が無いのでハッキリしないが、マグネットを磁気的に浮かしてヨークに均一な磁束をかけ、ストロークを稼いでいる思われる。
個人的な考えであるが、磁気回路はネオジウム等の強力なマグネットを使いコンパクト設計にして貰いたい。
マグネット径を小さくできれば、背圧の抵抗を減らすことができダンピング効率も上がる。又コーン紙の自由度も増えることから、微小信号の反応も良くなる。 
現在のフェライトマグネットでは、径が大きすぎて背圧の抵抗になっているのでは・・・

(3) エッジ & ダンパー
エッジはダイナミックに動作するように、軽量布エッジのコルゲーションエッジを特別に設計して、ロングストローク・ハイコンプライアンス仕様となっている。ダンパーも同様にハイコンプライアンス化設計が成されていると思われる。FE10◯シリーズの更なる改良の跡が見られる。

(4) クロスオーバー
このユニットの周波数特性よりクロスオーバーは600Hz付近でのメカニカル2Wayとなっている。
取扱説明書の解説では、センターキャップにも工夫がありボイスコイルとボビンを直結して20kHz以上の高域特性を稼いでいる。
20kHz付近にもクロスオーバーと思われる落ち込みがあるのは何か??

(5) 取 付
ユニットの取付けは、103・106・108系のユニットでスピーカの穴系もφ102mm+ザクリであるので、今までのスワン系・バックロードにすんなり付くはずである。


試 聴
このユニットの標準機??
   スーパースワンに付け試聴。

低域の伸びがよく、磁気回路・コーン紙の強度・エッジ等のマッチングが良い。
特に良いと感じるのは、ストローク(磁気回路・エッジの改良)が長く取れたことで、低域はFE108EΣ に比べ圧倒的に豊でダンピングが効いており、腰が座ったピラミッド状の音が出せる。
何を聞いてもオールマイティで自然でダイナミック・聴き疲れしない余裕がある音である。
但し、ドスン・バツン・ドカンを求める方には不向き??

FE88ES-Rと比較すると、誇張されてところが無く伸び伸びと鳴る。定位とハイエンドの延びではFE88ES-Rには敵わないが万人向きの音で聞き易い。個人的には、もう少し締まった音像を聞かせて貰いたい、一工夫が必要と感じる。

全般的に素晴らしいユニットであるが、一点気になるところがある。
まだ通電間もない赤子のユニットではあるが、高域にFE108Sのような紙臭さを僅かに感じる時がある。これはエージングで解消するかもしれない、待ってみよう!
もし、コーン紙からの紙臭さであるのなら、Next Versionでコーン紙の角度・素材・形状・センターキャップの変更等でフォステックの技術者が解決するであろう。

小生の結論として、このユニットのポテンシャルは、未知数で今後大いに楽しめるユニットであると感じた。
スーパースワンの音から推察して、箱を変えればもっとダイナミックに低域も稼げてワイドレンジになると思われる。 
小生のスーパースワンではFE103En-Sのエネルギーを吸収できそうもない、そんなパワーを感じるユニットである。

空気室=1.8ℓ ・ ホーン長≒3.0m ・ So=40c㎡ などと勝手な考えが脳裏に渦巻き、アドレナリンが噴出してしまう・・・ 弩アホウである。

箱を作りたいが、小生の部屋にはもうスペースが無い!!!


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TAKE FIVE

hihoさん こんにちは。
FE103En-S、D-118改にいれました。
FE88ES-Rではまったく低音がでなかったのですが、FE103En-Sでは対照的に豊かな低域で素直な中高域です。
ベースもドンドン・バリバリです。
by TAKE FIVE (2010-04-16 17:13) 

hiho

TAKE FIVEさん
コメントありがとうございます。

FE103En-Sは、Qo=0.2ですから、ダンピングの聞いた低域が 得られるのでしょう。
私も、一度はD-118の様な箱に入れて聞いてみたい。多分素晴らしい音が再生されるのでしょう。私の書いている”ドスン・ バツン・ドカン”の表現は16cm以上のちょっと暴力的な音ということです。
FE88ES-Rは確かに低域は弱く感じますが、私の専用箱(トール ボーイスワン)ではそんなに低域不足とは感じられません。FE88ES-RはQo=0.46ですので、設計もおのずと変わってくると考えられます。 FE103En-Sは、ハイポテンシャルな素晴らしいユニットと考えておりますので、ネット上の方々のご意見等を参考に新設計の箱も作るかもしれません。 Bye-Bye
by hiho (2010-04-21 19:20) 

song4u

いやあ、もうニヤニヤしてしまいますね。
またまた10cmユニットに変更されたんですよね?
ユニットだけ変えて、同じ箱ですとチューニングと言っても限界が
あったでしょうね。きっと悔しい思いをされたこととお察しいたします。

ああ、だけど羨ましいなあ。
時間もお金も必要ですものね、こういう試行錯誤には。
お金も時間も無いから、手も足も出ませんよ。
出るのは愚痴とため息ぐらい。(涙)
by song4u (2012-05-04 00:28) 

Sasha

song4u 様
10cmのユニットでしたら未だしも、超高級ユニットには手が届かないのも事実です。10cm箱ですと、ホームセンターでは加工込みで1万円でも製作可能ですので実験程度でしたOKです。
箱の特性と、ユニットの相性は予めシミュレーションで相性は見て購入しますが如何せん素材の違いがもろに出るのがこの世界のようです。
 この年の趣味としては、非常に楽しい世界です!

私も時間も金も充分ありません。
この年になると第一歩を踏み出すかどうかが問題ですので、少しでも考えアイデアを膨らまして行動するように心がけています。
しかし、年と言う病気には勝てず年々スピードが落ちて来ているのも事実です。
 私も愚痴とため息が良く出ます!

by Sasha (2012-05-04 08:17) 

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